第百十四話
この体になってからというもの、やたらと女の人? と接する機会が増えたような気がする。
嬉しいような悲しいような不思議な感覚だ。
だからと言ってここに留まるわけには行かないんだけど、相棒に乗せられ願いを一つ叶えるとか調子こいた事を言ってしまった手前、一晩経った今もこの場に留まってしまっている。
ウルは昨日の夜に俺と話した後、スゴスゴと帰って行ったが、その背中は少し悲しそうだった。
すまない、いくら俺の優しさに惚れたと言っても、ここに残るわけにはいかない。俺よりもっと相応しい人を見つけてくれ。
ナニサマ……
何か言ったか?
ナニモ
あっそ。そんな事より願いだよな。何でもって言ったけど、マジに誰かを生き返らせろとか言われたらお終いだぞ。
いや待て…… アカンアカン。
暗示スキルのソノ使い方はもうしないって決めただろうが!
不味いな、結局のところ俺は化け物でしかなくて、全知全能の神様ではない。ぶん殴って解決する事以外を頼まれたらやっぱりお手上げだ。
うん、その時は潔く謝ろう。
昨日の出来事が無かったかのように相変わらず俺にウルは飯を食わしてくれる。
正直こんなに献身されてしまうと殆ど何もしてやれない事とウルの気持ちに答えてやらない事に申し訳ない気持ちが募る。
すると、長老的な獣人のジジイがこちらに向かって来る。
ジジイッテ
当たり前だ、こんな俺を勝手に邪神扱いした奴なんてジジイ呼びして当然だ。
まあ、それは置いといて。どうやら願いが決まったらしいな。
ハァ…… 気が重い。
ジジイは大袈裟な動作をしながら俺に話しかける。多分挨拶なんだろうが、一々大袈裟だな。
そんな時だった。
ジジイがまだ話している最中にウルが大声で割り込んで来たのだ。
一言二言の短い言葉を乗せた叫びに近かった。
それを聞いて慌てる長老とその周り。俺に何かを弁明しているのか仕切りに頭を下げる。
これはー、あれか? 所謂……
ギャルノ、パンティー?
なんで知ってんだ!?
相棒が何故か有名な願いの割り込みを知っているのか気になったが、今はそれよりも気になることがある。
で? ウルはなんて?
フクシュウ、ダッテ
復讐?
カミサマ、ニ、フクシュウ、シテクレッテ
神様って、抽象的だなぁ。それって自然災害の類いじゃないよな? もしそうだったらどうしようもねぇぞ。
アノコ、モトモト、カミサマノイケニエ、オヤモ、イケニエ
は? どういう事?
キノウ、イッテタ
おいちょっと待て。やっぱおかしいと思ってたんだよ俺は。絶対もっとなんか言ってると思ったよ! なんだよ優しいから好きって、でまかせじゃねぇかよ!
ウソジャナイ、ホントホント、ハショッタダケ
端折りすぎだろ!
グルルルル……
それずるいって!!
ふと目をやるとウルが心配そうにこちらを見つめる。
おっとイカン。こんなことしてる場合じゃなかった。にしても復讐か、昨日の魔物は関係無いのか? 話を聞いてみないとなんとも言えないが……
『わかった。その神に私がウルの代わりに報復してやろう』
それを聞いてウルが何か言いながら涙を流す。
願わくば、殴ってどうにかなる奴でありますように。
この作品のタイトルを変えたリメイクを考えています。内容もかなり変わりそうです。こっちの更新は…… 怒られるまで更新します。怒られたら、検索除外にしようかなと思っています。




