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第百六話 召集

 愚図るイブを宥めながらウォルターに指示された管理局の支部までやってきたサラ。


 未だに泣きべそをかくイブの様子に周りの局員も呆気に取られている。良い加減機嫌を直してくれないものか。



「しょうがねえだろ、呼ばれたんだから。部隊にいる時はこんな休暇なんて無かったんだから有難いと思え」


「でも〜〜」


「でもじゃねぇよ…… ハァ、しょうがねぇ。わかった今度の休みも付き合ってやるからそれで勘弁しろ」


「本当ですか! やったー! セ・ン・パ・イとデーートーー」


「やかましい! あとデートじゃねぇよ」


 そんな趣味は生憎持ってないし、あったとしても今は誰ともそういう関係になるつもりも無い。


 兎に角イブがこれで静かになれば御の字だ。街中だけじゃなく局内でも変な目で見られるのはごめんだ。


 局内に入ると、受付の人間からウォルターの伝言で会議室に来てくれとのことだった。


 しょうがないとイブに言って聞かせたが、正直あたしも数少ない休暇を潰されて腹が立っていたところだ、文句の1つや2つでは収まらないかもしれない。


 イブのしょうもない話に適当に相槌を打ちながら言われた会議室の前に着くとあたしの後ろに控えていた槍が突然、扉とあたしの間に入り向こう側を警戒し始める。


 という事は向こう側で何か起きてるのか?


 2人で顔を見合わせマナを纏う。あたしは槍を取りそれから扉を蹴破る。



「ウォルター! 無事か!」


「大丈……!? 見てくださいセンパイ、サムライが居ますよ!?」


 そう言って部屋に突入すると、あたし達2人の様子を見て大笑いする大男と、我関せずで本を読み続ける男に呆れながら項垂れる男がいた。



「ああ、私は無事だよ。扉は無事では無いがね」


 3人の中で見知った顔のウォルターが項垂れながら返事を返すがあたしらと顔も合わせようとしない。


 すると、相も変わらずガハハと笑う大男が喋りかけてくる。



「オイオイ、俺らよりも無茶苦茶な嬢ちゃんらだな」


 2人の見慣れない男達、両方黒人で身長もイブを余裕で越して頭ひとつ抜けている。


 口を開いてる方は、髭を生やしたスキンヘッドで、鍛え上げられ膨張した筋肉も相まっておよそ正常な人間ならこいつに喧嘩を売る奴はいないだろう。


 こっちに全く興味が無いと言わんばかりに無視して本を読み続ける方も同じく黒人だが、その印象は前者とは大きく異なる。


 髪が生えててガタイもしっかり鍛えられているが、眼鏡をかけ本を読む姿は知的で落ち着いた雰囲気だ。髪は黒くドレッドを雑に後ろにまとめた髪型で筋肉もコンパクトに締まっている。


 これだけでもかなりの特徴だが、1番目につくのはそう、腰にさがる1本の刀だろう。


 意外と様になった姿に思わず感心してしまうほどだ。



「ウォルター、こいつらは?」


 淡々と話すあたしに1つため息を零しつつ諦めたように話し始める。



「紹介しよう。五月蝿いのがレックスで後ろの静かなのがケビンだ。今日からこの4人でチームを組んでもらう」


 色々言いたいことはあるが、1つだけ言うなら……



 あたしの周りデカいの多すぎ!!!

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