第127話:労働者解放
魔人滅殺剣を当てることができ、魔人も撃破した。
「ふぅ、・・・はぁ」
雪の上で仰向けに倒れたまま、空を見ている。ウォームローブ越しでも背中がひんやりする。頭が痛い、体中が痛い、吐き気もする。だけど、空だけはスッキリと晴れていた。
「うおおおぉぉ・・・! レベル一気に65だぁ!」
パラメータを確認すると、確かに中野のレベルも65になっていた。さっきまで59だったのだが、ダメージ貢献量が大きかったのだろう。
<ごめん、魔人倒しちゃったからバスのとこで待っててくれる?>
<え? ・・・あ、ホントだ2人ともレベル上がってる。運転手脅してバスのエンジン入れて待ってるね>
それは何よりだ。だが、しばらく俺は動けそうにないな。中野に運んでもらうか? その前に、そう言えばここ、モンスターとか出ないのか・・・?
と思った矢先、のっそり、のっそりと、オットセイのような生き物が現れた。牙があるから、セイウチか。クリフキャニオンにいたオットセイの上位版とみていいだろう。
「あっはは、やっべ・・・」
<やばいモンスター出た。やっぱり急いで。僕はもう動けないから中野くん先行っていいよ>
<え、うそでしょ!? 急ぐね>
<ありゃマウンテンウォーラスだ! ブレスしてくっから気を付けろ! 俺MPねぇから悪ぃけど先行ってるな!>
魔法じゃなくてブレスかよ・・・。どっちにしても終わったな。
<頼んだよ。僕がやられたら中野くん1人になるから>
<マジ!? やっべぇじゃん!>
そうだ。だから急いでくれ。
セイウチは俺の近くまで寄って来て、止まった。そんな至近距離で、ブレスをしてくるつもりか。
「う゛・・・あ゛・・・!!」
だが、体が思うように動かない。仰向けに倒れる俺のそばに、魔法陣が現れた。結局、魔法もできるのか・・・。クリフキャニオンのやつもできたから、当然か。
その魔法陣から、氷の人魚が出て来た。ハープを持っている。まさか、人魚に殺されることになるとはな。中野の背中が見える。頼んだぞ。
ポロロロロン♪
人魚がハープを鳴らし、音が鳴る。ああ、癒される。美しい旋律だ。この音を聞きながら死ねるなら、悪くない。体が、太陽の光を反射してキラリと輝く大量の小さな氷の粒に囲まれる。
「なんだ・・・?」
あまり攻撃を受けている感じがしない。事実、HPが減っていない。やがて、氷の粒は俺の体の周りをぐるぐると回り始めた。氷の粒で渦ができて、
「うおっ」
体が浮かんだ。なんだ、これは・・・?
ポロロロロン♪ ポロロロロン♪
氷の人魚が、ハープを鳴らし続ける。無意識のうちに、目を閉じってしまった。何をするつもりかは知らないが、もう体中ボロボロだ。ひと思いにやってくれ。そしたら、戦闘不能になってる間だけでも楽になれるから。
癒されるハープの音と、ひんやり気持ちいい氷の渦に包まれて、俺は全身の力を抜いていた。頭痛が、少しずつ引いていった。
「え?」
戦闘不能になったか? いや、HPは減ってないし、吐き気と骨の痛みは残っている。
続いて、吐き気が少しずつ引いていった。
「・・・はい?」
どうなってんだ? こいつ、俺を殺すつもりじゃないのか・・・?
そして、全身の骨の痛みも、少しずつ、少しずつ和らいでいって、スウゥッと、完全に消えてしまった。
「は・・・?」
目を開け、手を顔の前に出して、全身を見渡す。変わった様子はない。ただただ、今朝から続いていた体の不調が取り除かれた。
ポロロロロン♪
そして、ゆっくりと回っていた氷の渦が、高速回転を始めた。
「うおっ」
渦の内側が、淡い水色に優しく光り始めた。体がその光に包まれ、
「え?」
HPとMPが100ずつ回復した。
「えっと・・・」
渦を巻く氷の粒は回転を弱めながらゆっくりと消えていき、俺の体がそっと地面に下ろされた。ハープを持った氷の人魚は、ニコッと笑顔を見せて消えた。俺とセイウチだけが残された訳だが、
ペコリ。
とセイウチがお辞儀をしてきた。思わず俺も、首だけを縦に動かしてお辞儀を返してしまった。するとセイウチは、そのまま踵を返してどこかに行ってしまった。
何がなんだか、全く分からない。セイウチが回復魔法を使って俺を回復させてくれたことだけは事実だ。今思えば、魔法陣は半分が水色でもう半分はピンクだった。水と、愛属性の合成魔法か。何のつもりだったんだ、今の・・・?
それはいい。考えても仕方がない。体調が良くなったのなら好都合だ。このままメタリックの工場に戻って、その足でエコノミアに向かおう。
<なんか、モンスターが回復してくれた。もう大丈夫だからバス動かさずに待ってて>
<あ、マジだ! もしかしてアイスマーメイドか!?>
<確かに、氷の人魚が出て来たね>
<おいおいマジかよ。でも何でモンスターが>
<知らないよそんなの。いいから戻ろう>
<不思議なこともあるのね・・・。いいわ、バスで待ってる>
バスまで戻ると、本当に高松さんが運転手を脅してエンジンが掛かっている状態だった。
「急いで戻ろう。向こうも心配だ」
「ええ。 じゃあいいわよ、全速力で走らせて」
後半は運転手に向けて言ったようだ。すぐにバスが走り出した。
「ホントに、回復したのね」
「うん。全く訳が分からないよ。あれは元からプレイヤーを回復させるためのものとか?」
「いいや、俺たちが戦った時は普通にアイツが自分で回復してたぜ」
「だよね。う~ん。まいっか」
「もしかしたら、魔人を倒してくれたお礼だったりして」
「あっはは。そう受け取ることにするよ」
バスは尚も、地下道を爆走し続ける。
「てか中野くん、魔人滅殺剣ってMP全部消耗するの?」
「お? ああ、いや、ちょっと待てよ・・・最低消費MPは300みてぇだ。さっきは俺が自分で全部使っただけだ」
あれが大ダメージのチャンスだったから、その判断は正しい。
「そっか。でもどのみち一発勝負になるね」
「その方がカッコいいんじゃねぇか」
決まればね。
「でもまさか、魔人滅殺剣をメタリックが持ってたなんてな~。山ん中探しても見つかんねえ訳だ」
「一応、中野くんが魔人にやられてた所に倉庫への入口があったんだけどね、内側からしか開けられない感じだったよ」
「だよなぁ・・・。メタリックほっといて魔人滅殺剣探しに行ったのに、メタリックが持ってたなんて・・・」
「ま、そんなもんだよ。可能性が高いと思ってたものがハズレることもあれば、全然関係ないと思ってたものが役に立ったりもする。やることなすこと全部が役に立つなんてことは無いんだから、思い込みだけで判断するのは良くないね」
「だな~~っ。でも難し過ぎだろ~~~っ」
「時間も限られてるから取捨選択は必要なんだけど、どれを捨ててどれに取り組むか決めるのは、センスが問われるね」
「結局難しんじゃんかよ~~~っ」
そういうものさ、人生は。
派手にドアが壊れている倉庫の入口まで着いた。
「高松さんも、結構思い切ったことをするんだね」
「人間キレたら何するか分からないって言ったのは、大村君よ」
「覚えておきます・・・」
運転手をロープで縛り、バスから降りた。
「みんな事務室にいるの?」
「ええ、2階で待っててもらってるわ」
先に4階の社員寮に行って回復し、2階に下りると部屋の中に大勢の人がいるのが見えた。良かった、とりあえず何事もなさそうだ。部屋と部屋を仕切る壁が壊れて1つの大部屋になっているが、高松さんがやったものだろう。
4人の魔法使いが現れて、どよめきが起こる。ロープで縛られている役員共の近くまで歩き、静かになるのを待って、
「みなさん、今日は突然すみません。僕も昨日まで採掘班Dグループにいたのですが、耐えられなくなってしまって仲間に来てもらいました。みなさんももう、辛い雪山での労働を続ける必要はありません」
ここでまたどよめき。きっとまだ、みんな報復を恐れている。
「ふざけるな!!」
当然のごとく、捕えた役員から怒号が飛んだ。
「お前ら、こんなことしてタダで済むと思うなよ!」
もうタダでは済んでないさ。既にエコノミア政府との正面衝突が決定している。
「お前らもだ! このクズどもが。たった4人も捕まえられずに何をしている! この件は本部に報告し、エコノミア政府にも伝えてもらうからな! お前全員牢屋行きだ!」
この人たちが行くのは、牢屋じゃない。光ある未来だ。
「お前らの家族も全員だ! 国家反逆者の家族など、生きる価値もない! 牢屋じゃなくて、お前らの代わりに雪山に行ってもらうのもいいなぁ? お前らが牢屋に入ったら生活費稼げなくて路頭に迷っちまうからなぁ? 俺の優しさに感謝しろよぉ?」
そうやって、民を苦しめてきたのだな。これまでも、雪山で働かされる可能性や企業活動妨害罪をチラつかせて脅してきた訳だ。その結果の、内閣支持率80%越えだ。
「洞窟での採掘なんて肉体労働は辛いだろうから、歩いてるだけでいい探索班にしてやろう。嫁か旦那かだけでもお前らと同じ数、ガキも入れりゃ2倍か3倍になるなぁ? こりゃあい…」
「いい加減にして」
「うがあっ! っ・・・このアマ!」
高松さんが光魔法で攻撃した。その目はこれまで見たこともないほど怒りに満ちていた。これは、相当に頭に来ているな。
単身者は計算から省いたのではなく、家族がいる人だけを選んでここに送っているのだろうな。ロープで縛られている割には、随分と余裕があるようだ。この程度なら確実に鎮圧されるという確信があるのだろう。高松さんがここまでの表情を見せたのが初であることを知らない役員がまた1人、口を開いた。
「お前ら、見覚えがあると思ったらスターリー神殿の奇跡を起こした奴らだな? また奇跡を起こしてヒーロー気取りでもするつもりか! これはお遊びじゃないんだ。我々の問題に首を突っ込むな! こいつらは我々の部下! 我々の自由に使っていい存在だ!!」
高松さんが目つきが、さらに鋭くなった。もう、止められる気がしない。
「なっ・・・何だその目は!!」
「これから起こるのは、奇跡なんかじゃないわ。あなたたちが多くの人を苦しめてきたが為に起こる、必然的なものよ」
その通りだ。俺たちがやらなくても、確実に誰かがやることになっていた。それが、時代の流れだ。
高松さんが、両手で杖を持って役員たちに向けた。その先端に白い光が集まっていく。
「な・・・にっ・・・!?」
「ま、まて・・・!
「何のつもりだ・・・!」
「分かっているのか! 俺たちに逆らうことが何を意味するのか!」
知っている。これが時代を変える一手になるということを。
「スターリーシャワー」
「「「うわあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」」
「「「があああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」」
杖の先端から、小さな白い光の粒が、放射状に広がっていった。ロープで縛られた役員たちが、白い光のシャワーを浴びて悲鳴を上げる。
やがて、気絶したのか声が聞こえなくなり、高松さんが攻撃を止めた。
「ごめん、勝手にやっちゃって」
「別に。どの道この人たちには寝ててもらった方が都合がいいから。それに、」
右手を顔の前に運んで杖を眺めた。どんな顔をしているかは、自分では分からない。
「もう・・・限界だね・・・・・・」
ドオオオォォォン!
杖を横に振り、西側一面に広がっている壁を壊した。外は、人工的な蛍光灯の光が目立たないほど明るかった。雲は多いが、青空も見える。それでも雪が降っていた。ひらり、ひらり、行動に影響が出ない程度の弱い雪だ。
俺は首を後ろに傾けながら横にいる3人に目を向け、
「メチャクチャにしよっか、・・・あの国」
諦めるように笑いながらそう言った。3人は、言葉が出ないのか依然として険しい表情をしたままだ。俺は顔を正面に戻し、やや下に視線を向けた。
「本当は、ちゃんとした方法で建て直した方がいいのは、分かってる」
事務所の灰色のカーペットと、その先の、雪が舞い降りてくる白い地面が見えている。
「この人たちを解放するだけじゃ、また別の人が連れて来られる。世界中の鉱山を潰しても、また別の事業でやっぱり人が苦しめられる。何年後かに大統領が変わっても、同じことが繰り返される。この腐りきったシステムを、壊して1から作り直さないと、苦しみの連鎖は止まらない」
1つ、また1つと、雪が地面に到達する。見た目にはほとんど変わらないが、そこには確実に1つずつ積み重なっている。
「僕らには、政治も経済も分からないし、何より選挙を国が支配してる」
手に持つ杖を胸の前に掲げ、視線をそれに移した。
「僕らは、魔法使いだ」
杖を握る手に、力を入れた。
「どんなことも、魔法で解決していかなきゃいけない」
杖を握る手を、顔の高さまで上げた。
「誰にもできないことをするための魔法が、僕らにはある」
肘を曲げて杖を背中の後ろに回し、
「国を壊すのは、魔法があればできるから、」
勢いよく振って前方に向けた。
「エコノミアをメチャクチャにしよう」
ただ一点、杖の指し示すその先を見続けた。向いている方角は西、エコノミアのある方だ。
「止めても、無駄だから」
仮に3人がついて来なくても、俺1人でもやる。
「・・・・・・“止めても無駄”は、こっちのセリフよ」
最初に口を開いたのは、高松さん。俺は前に向けていた手を下ろし、声のした方に顔を向けた。さっきの俺と同じように、高松さんもやや下を向いている。
「あたしだって、もう無理・・・。これ以上、耐えられないわ・・・・・・」
1人でもやる覚悟は、杞憂だったようだ。
「そうだ」
中野が続く。
「細けぇことはよく分かんねぇけど、何が“我々の自由に使っていい存在”だ。そんなの許せる訳ねぇだろ・・・! 大村たちを信じて俺も戦うぜ!」
怒りを込めた拳が、中野の顔の前で握られる。
「私も、同じだよ。直接戦うことはできないけど、私にできることは、何だってやりたい」
花巻さんは視線を落とすことはなく、力強くそう言った。
「・・・決まりだね」
俺は後ろを振り返り、解放した労働者たちが集まっている方に歩いた。なおも戸惑いの様子でこの場に立ち尽くしている。奥にいる人たちにも見えるように、土魔法で踏み台を作って乗った。
「みなさん。もう雪山で働く必要はありませんが、まだ戦いは終わっていません」
みんなの表情は、暗い。まだ、恐怖が拭えていないようだ。それも当然で、この工場の役員を捕まえただけでは、自由の身にはなれない。彼らも、このままではまた苦しい日々が再開することを知っているだろう。
だけどもう、俺は戦うと決めた。一番苦しい思いをしている人たちを押しのけて勝手に決めてしまったが、もう、これ以上見ていられない。俺の体ももたない。さらに勝手なお願いで申し訳ないが、みんなにも手伝って欲しい。それを、これから頼むつもりだ。
雪山労働者だけではない。都市部で働いている人たちも、安定した生活を人質に取られ、会社や国の言いなりになってきた。“働き方改革”を謳って色々と策が講じられたようだが、実感を伴わないどころか収入が減るなどの悪影響が出るものさえあった。お役人が考える“改革”など、数字だけの成果があればいいのだから当然だ。
もはや、“改革”などと言う生ぬるいものでは何も変えられない。人々は不満を溜め込む一方で、その燻る思いは、何かのきっかけがあれば一気に爆発するだろう。みんな自分の生活があるから、中々に一歩が踏み出せない。
だけど、きっかけがあればいい。騒ぎを起こせば、便乗するのはハードルの高いものではない。不満を抱えている人たちはみな暴れ出す。最近はちょっとしたことで大げさに反応する人が多いし、この世界にはトレジャーハンターにプレイヤーもいる。ほぼ確実に便乗するだろうから手伝ってもらおう。俺たち4人で一国を相手にするなんて無謀極まりないが、みんなで暴れれば勝率は大きく跳ね上がる。
「これから、諸悪の根源、メタリックカンパニーとエコノミア政府を潰しに行きます」
「「「おおぉ・・・!」」」
みんな、感嘆の声を上げてキョロキョロと互いの顔を見合っている。俺の口から何が出るか気になっているのか、声は大した音量ではない。続けよう。
「時間を掛けていては警備を強化されてしまいますから、明日の夜明けと共に一気に奇襲を仕掛け、一日で陥落させます。協力して頂ける方は、これからビジナに向かってください。みなさんこれまで辛い思いをしてきたと思うので、無理強いはしません。でも僕らはやります。明日にでも、ビジナで大暴れします。騒ぎになるのは間違いないので便乗したい方はどうぞ」
どよめきが続き、さっきよりも激しくお互いの様子を探り合っている。
「ただ、これだけの人数が1日で国境を越えると怪しまれるので、行く人は関所から離れた所から不法入国してください」
再びどよめき。だが、
「ああいいぜ」
1人の男の人が、大きめの声を出した。必然的に視線が集まる。
「こうなった時点でもう今までの生活はできねえんだ。その“今までの生活”だって幸せの欠片も無かった。今さら不法入国がなんだ、この山に来た時点で人生とっくに捨ててんだよ! 社長でも大統領でも掛かって来いってんだ!」
そうだ、そうだなと、同調する声が上がる。
「もちろん、嫌な人は来なくてもいいです。あなたの人生を壊した奴らを、誰かが懲らしめるのを爪を噛みながら待っていてください。あなた方が来なくても、ビジナ市民でも便乗する人は多いでしょうから」
あえて、煽るように言ってみた。実際、この人たちが来なくても大した影響はない。だが、
「いいや俺は行くぞ! 俺たちが受けてきた仕打ちを思い知らせてやる!」
「そうだそうだ!」
「俺たち家族を引き裂いたこと、ぜってぇ許さねえ!」
他にも何人もの人が声を上げた。見渡す限りでも消極的な人は居ないようだ。しばらく待って静かになってきたところで、
「すみませんが僕らは関所を通ります。夜、ビジナ北東の森で合流しましょう。僕が空を飛べるので近くまで来てれば見つけられると思います。移動の際は、あまり固まり過ぎると目立つので、ほどほどにバラけるようにしてください」
その場ですぐに、リーダーやらサブリーダーやらが決まり始める。恐ろしいほどの協調性だ。
「みなさん、準備はいいですか」
「「「おおーーーっ!!」」」
気持ちのいい返事を聞き、仲間の魔法使いに顔を向けると、歩み寄って来た。
「今度、“止めても無駄”なんて言ったら、許さないから」
仲間たちも、頼もしい限りだ。4人集まり、労働者たちの結束も確認したところで、半周回って西の方を見た。背中の後ろには、大勢の味方がいる。俺は、これから殴り込む場所に向かって杖を持つ右手をゆっくりと上げ始め、
「巻き起こしましょう。労働者の、労働者による、労働者のための、」
真正面に向けてピタリと止めた。
「革命を」
次回:巻き起こせ、労働革命




