第三十九話『リヴェイラの浮上──新たな王契将』
「なぜ、そやつの味方をする......」
俺をかばうように光が俺の周りを回る。
「......待ってくれ。 もういい、お前たちまで消える必要はないんだ。 お前たちも俺の家族だから......」
そういうも光たちは俺の前にでる。
「永劫の無へと消えさりたいのか」
黒い光が鈍く輝く。
(もう...... だめか)
「まって!」
リルの声がする。
うしろから三つの光が近づいてきた。 この光を俺は知っていた。
「まさか、リル、リシェか!!」
「ええ、私たちも無理やり儀式に入り込んで来ちゃった」
「そんな...... みんな消されてしまう! なんのために俺は......」
「私たちが犠牲になったら、あなたは悲しむのに、あなたが消えても私たちが生きていけると思うの」
「それは......」
「......うっとうしい」
黒い光の怒りが増しているのがわかる。
(だめだ! リルもリシェも来てしまった! もう引けない! 諦めることもできない!)
「聞いてくれ!」
「聞くものか...... わらわの前に現れ、理想を語ったが、結局はその努力も人間が無にした。 貴様に力を与えても無駄だと悟った」
「力を与えた......」
その漆黒の光が放たれると衝撃波を発する。
「やめてーーー!!!」
リルが叫ぶと、光のひとつが大きくなり衝撃波が一瞬で消えた。
「なんだと......」
(衝撃波が飲み込まれたのか! あれは、リルの界獣。 いや、今は!)
「ルエル! 中にいるんだろ! 起きてくれ!!」
「くっ...... 貴様!!」
黒いルエルの声が動揺するように聞こえた。
「ルエル! お前の半身を抑えてくれ! リルもリシェも危ない! 頼む!!」
「消えろ!!」
黒い光が再び輝く。
「ルエルーーーー!!!」
黒い光から白い光が飛び出した。 その瞬間、俺たちがもとの体になっている。
「やめてください!! この方たち! 私の家族を傷つけるのは私自身だとしても許しませんよ!」
白い光は少女の姿をしていた。
「貴様......」
黒い女性は言葉を止めた。
「俺たちは力が必要なんだ。 この世界を守るために」
「......お前たちの世界は消え行くべきなのだ」
「なぜそんなことを言うんだ」
「......それがその方が幸せなのだ......」
その一瞬、黒いルエルは悲しみの瞳を宿した。
「なんのことだ......」
「力ならその娘が持っていよう......」
そういうと黒いルエルは姿を消した。
「娘が持つ......」
「ナナミ、リルが!」
リシェにいわれ振り替えると、リルの体が光り、その界獣らしき巨大な黒いエイが真っ黒い空に浮かんでいる。
「大丈夫か!」
「うん...... この子、【リヴェイラ】が変わったみたい......」
「リヴェイラ...... リルの界獣か。 初めてリルにあった時、リシェたちを飲み込んだのはこれか。 それが変わった......」
(娘が力を持つ...... まさか!!)
「まさかな...... ナナミ、お前ではなくリルの方が王獣の所有者だったとはな」
フィグルスさまが驚いている。 あのあと俺達は意識を取り戻すことができた。
「まあ、その王獣も覚醒して、王契将の権利を得たね」
「ふむ、しかしこのような幼子が王契将で各国の動揺を抑えられるか......」
イオスさまとハリベイルさまが話している。
「確かに、その懸念はありますが、王契将がいるという事実が各国への抑止になるのもたしか」
「そうですね。 それにこの子の王獣はかなりの力を持つようです。 それにかつて幼くして王契将になった前例もあります」
シェルディオさまとデュライアさまがそういった。
「それなら早速王契将がたったことを各国に伝えようぜ」
サンフォイザさまがそういう。
(リルが王獣を持っていた。 それならルエルは一体......)
「あっ!」
部屋からでた俺を見つけたリルは飛び付いた。 俺はそれを抱き止め持ち上げた。
「みんな無事で本当によかった」
俺は心のそこからそう思い、言葉にでた。
「ええ、でも、まさかリルが王契将だったなんてね」
「よくわからない...... でもあの時、助けないとと思ったの......」
リルは胸の上で手を握り、目を伏せた。
「まあ、リルは俺たちがサポートすればいい」
「そうだね」
「さあ、帰ろう。 俺たちの町に」
俺たちは町へと戻った。
その後、正式にリルが王契将として発表された。




