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第三十七話『王の喪失と預言の兆し』

「そんな......」


 シェイネスがその惨状に言葉を失う。 俺たちがガルグルムさまの城に向かうと、あの巨大な王獣の亀の姿が見えず、崩れた城と住人らしきものたちが座り込んでいた。


「みんな、どうしたの!? ガルグルムさまは!!」


 シェイネスは焦り周りのものたちに聞いて回る。


「ガルグルムさまは、私たちを守るために、何者かと戦い...... 亡くなられた」


「そんな馬鹿な! ガルグルムさまが負けるわけが!」


「相手は召喚士で、見たことがない力を持つ界獣でガルグルムさまを......」


「だが遺体もない! 死んでなどいないのでしょう!」


「遺体すら残さず消し去られた。 その界獣は空間を切り取る力があったんだ。 我らも戦ったが、強すぎて......」


「そ、そんな......」


 シェイネスは地面にへたりこんだ。


「どうしますかマスター」


 ルエルがそうこちらを見つめる。


「まず、この人たちをどうにかしないと......」


「それなら、私たちの町に呼べばいいんだよ」


 そうリルがいった。


「確かに...... そうだな」


 俺たちは彼らを俺たちの町に呼ぶことにした。



「ありがとうございますナナミどの。 我が主、ガルグルムに代わり、感謝申し上げます」


 そうガルグルムさまの従者の中でも一番古株という【メイマール】がそういった。 俺たちの町に来て混乱していたものたちも落ち着いた。


「それでメイマールさん。 一体何が起こったのです」


「わかりません...... 突然、城に侵入者がやってきました。 我らも防衛しましたが、なすすべなく容易く倒され、ガルグルムさまは王獣を繰り出しましたが、その奮戦むなしく......」


 そう目を伏せた。


「あのガルグルムさまが......」


「ただガルグルムさまが、その侵入者に【ギラルド】と名前を呼んでいた...... ギラルドとはかつてガルグルムさまの友の名前、しかしあの方は亡くなっていれるはず......」


「ギラルド...... 死んだ者」


(国を滅ぼしたという人物なのか)


「ナナミ、フィグルスさまから手紙がきたよ」


 リシェが手紙を持ってきた。 中身を見る。


「俺はシャガと一緒に向かう。 落ち込んでいるシェイネスを頼むよ」


「わかった」


「いってらっしゃい」


 そうリルは送り出してくれた。 重大なことが起こってると理解しているのだろう。



「きてくれたか......」


 フィグルスさまは真剣な顔で城に迎えてくれた。


「ええ、ガルグルムさまのことですね」


「ああ、まさかやつが倒されるとは...... 信じられん」


「どうやら、ギラルドという人物の仕業のようです」


「ギラルド...... 【狂獣】ギラルドか」


「狂獣......」


「ああ、王契将ながら王契将を殺し、国を滅ぼした」


「王契将を殺した......」


「だが、ガルグルムたちに倒されやつは死んだはず...... いま王契将が集まっているナナミも来てくれ」


 六人となった王契将がそこにいた。


「ナナミがきた。 ガルグルムを殺したのはギラルドらしい」


「はあ!? やつは死んだはずだろ」


 サンフォイザさまが驚きの声をあげるとハリベイルさまはうなづく。


「......うむ、そう聞いている」


「しかし、ガルグルムを個人で倒せるならば、ギラルドの可能性はあるわね」


 シェルディオさまが腕を組んでいった。


「でもなんでだろう?」


「復讐ではないでしょうか。 実際はギラルドは死んだのではなく、復讐の時を待っていたとか......」


 デュライアさまがそういうと沈黙が続く。


「......わからないが、王契将を倒せるものがいるのなら、皆警戒して防備を固めねばならない。 我らが多く失えば、再び各国の戦争が起こりかねない」


 ハリベイルさまがそういうと皆うなづく。


(王契将は各国への監視も担っていたな。 もしこの中に他国に協力するものがいれば均衡が崩れるかもしれない。 この国にゼグドが、シェルディオさまのミグレシアに蛇のモンスターがいたのも、もしかしたら......)


「預言には新たな王契将とあるね。 新たなというのは古い王契将の喪失だったのかも......」


 イオスさまがそう呟いた。


「今、様々な国に波紋が広がっている。 これ以上の混乱を招かないためには、均衡を保つためには、早く新たな王契将の存在が必要だろうな」


 そうサンフォイザさまがいうと、全王契将の目が俺に注がれる。



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