第二十三話『ティモシーの過去と討伐の誓い』
「そう、捕まえられなかったの......」
不安そうにリシェは寝ているリルとルエルを見た。
「ああ、だから手を打たないと、俺はハンターの中だと有名になりすぎてる。 家ができたら、 ゼグドがリルを狙ってくるかもしれないから」
「それでどうするんです?」
イズが聞いた。
「家の周りを開拓して、町にするんだ」
「町!?」
「そう、町をつくって知ってるものを住人にすれは、そう易々と怪しいものは入り込めはしないだろ」
「報奨なんかで家は建てられるかもしれないけど、その住人はどうするの?」
「ここにはスラムがあって貧困者がいくらでもいるだろ。 彼らを呼び込む」
「確かに、でも犯罪者や危険な人物も入り込むかも......」
「ああ、だからまず有能なハンターに仲間になってもらいたいんだ。 知ってるやつはいるかな」
「有能なハンター...... うーん、そんな人がきてくれるかな?」
「ハンターなんだ、金銭的に動くだろ。 かなり優遇すればきてくれるはず、でなきゃモンスターと戦うなんて、こんな危ないことするわけないしな」
「まあね...... 事情のある人もいるだろうけど、そうだね。 私が知ってる人だと」
そうリシェから話を聞いた。
「ここか......」
次の日、俺は森に来ていた。 目の前に小さな小屋がある。 そこは町から離れた郊外にある。
「すみません、ティモシーさんいますか?」
そうドアをノックした。
「......うぁ、なんだい? 依頼なら協会に行きな」
そうドア越しに答えが帰ってくる。
「いや、依頼じゃなくて話があるんだ」
「話?」
ドアがあくと、ボサボサの髪の寝起きの顔の女性がでてきた。
「なんだい話って......」
俺はティモシーに話をした。
「町にこいって? なんであたしが行かないといけないんだ?」
「あなたはかなり強いと聞いてきたんだ。 どうしても強いものが近くにいてほしい」
「番犬って訳か...... 悪いが他を当たんな。 私にはやらなきゃならないことがある」
「それがすんだらきてくれるのか?」
「そう簡単じゃない...... 死ぬかもしれないからな」
そうティモシーは悲壮な顔をして目を床におとした。
「モンスターか」
「ああ、私の村を滅ぼしたやつだ......」
「ならそれを倒すのに協力しよう」
「はぁ!? なんでそこまでする!」
(俺はリル、リシェたちを守るためなら、どんな事でもすると決めたんだ)
「家族...... 娘が狙われることを阻止したいんだ」
「それで私を番犬にか...... いいが、死ぬかもしれないぞ」
「覚悟の上だ。 それに俺の界獣は強い」
「そうですとも!」
ルエルがしゃべるとティモシーは目を丸くする。
「ぶ、ブタがしゃべった!!?」
「ブタじゃないです! 界獣です!」
俺たちは詳しい話を聞くため、ティモシーの家にはいる。
話を聞いた俺たちはモンスターを討伐するため、ティモシーの村へと向かっていた。
「そのモンスター【エリアバースト】ってどんなモンスターなんだ?」
「わからない。 村は召喚士が何人もいる珍しい村だった。 だがあれが現れると界獣をうまく召喚できず、つぎつぎ食われていった......」
その時を思い出してるのか、ティモシーのその手が震えている。
「私は何とか逃がしてもらってハンターになったのさ。 やつを仕留めるために......」
そういうとティモシーは拳を握る。
「界獣が召喚できない...... どういうことだ」
「わかりませんが、この世界と私たちの世界を遮断する能力があるのかも。 でもそんな力、聞いたこともない...... それはまるで神獣のようです」
ルエルが短い首をかしげる。
「わからないが、何かで召喚できなくなるなら、先にだしておくしかない」
「私もだすよ。 【ビスティム】」
ティモシーの肩に鷲のような鳥が乗った。
「こいつが私の相棒だ。 能力は硬質化、その爪や嘴は鋼鉄でも貫くよ」
「それは頼もしいな。 俺も」
俺はすべての界獣を呼び出した。
「......驚いたね。 あんたのことは聞いてはいたが、これほどの数を呼び出すなんて......」
ティモシーはそう素直にいった。
(エトゥロは残しておくしかないな。 だし続けるのは無理だ)
「早くいこう。 だしている間、魔力が減り続けるからな」
「ああ、こっちだ」
俺たちは急ぎティモシーの村へと向かった。




