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第二十一話『魔巧具の鏡と黒い霧』

「盗賊...... あのリーダー逃げてたんだ。 わかった。 私も行こう」


 そうリシェはいう。


「いや、最悪、リルを狙ってここに来る可能性もゼロじゃない。 どうやら魔巧具を持ってるから、リシェはここでリルとイズを守ってくれないか」


「そうね...... 確かにリルの力を狙う可能性はあるね。 わかった、気をつけて」


「ああ、もうリルが狙われないように確実に捕えるよ」


 俺とルエルはマルガストに向かった。



「よくきてくれた、助かる。 それであのリルという娘は息災か?」


 フィグルスさまはそういった。 俺たちはフィグルスさまの城に来ていた。


「ええ、いい子に育ってます」


 ついそう自慢してしまった。


「そうか、そなたに預けて正解だったようだな」


 心配していたのか、フィグルスさまはそう安堵の顔をし微笑んだ。


「それで宵獣団のことですが......」


「ああ、実はやつらのアジトは突き止めてある」


「それなら......」


「だが、兵力を削るわけにはいかぬ。 ゆえにそなたに来てもらったのだ」


「どういうことです?」


「......ふむ、ナナミ、やつらの行動、おかしいとは思わぬか」


「おかしい......」


(確かになぜこの国ばかり狙う。 富豪は他の町にも国にもいる。 王契将のいる国をわざわざ狙うなんて......)


「......そうだ。 我々を意図して狙ってきているということだ」


「なにか心当たりでもあるのですか?」


「ふむ、我ら独立君主をよく思わない国はある...... なにせ領地の拡大などに邪魔だからな。 特に帝国など、何度か脅迫じみたことをしてきた」


「確かにこの土地は要所、邪魔でしょうね。 それで弱体化を狙っている......」


「わからないが、私を釣りだす罠かもしれぬ。 だからこの場を離れられないのだ」


(それを警戒してここから動けないのか)


「わかりました、私がシャガたちと盗賊を捕えます」


「ああ、できるなら殺さずに捕えてくれ。 背後関係を調べたい」


「はい」


 俺はフィグルスさまと約束してその場を去った。



「ここか」


 俺とシャガとミニークは森の奥の洞窟の前にたった。


「ああ、間違いねえ。 何度も偵察させて、ここを見つけた」


 シャガが剣を抜いた。 兵士たちも剣を抜く。


「......待って、さすがに動きがなさすぎるわ。 やはり罠なのかも」


 シャガをとめミニークがそういう。


「フィグルスさまを動かそうとしてるのかも知れないな」


「魔巧具なんて盗賊風情が手に入れられる代物じゃないです」


 ルエルも俺に同意する。


「確かにな...... 誰か裏にいるのは間違いないだろうが、とはいえこのままいつまでも放置するわけにもいかないだろ」


 シャガは焦るようにいった。


「ああ、罠だとしてもゼクドは絶対に捕える...... ただ罠ならフィグルスさまを捕える自信があるんだ。 でなきゃこんな簡単に見つからないだろう」 


「それほどの仕掛けか、何かがあるのね。 じゃあどうする」


「そうだな。 俺とシャガ、ルエルで向かう。 ミニークは兵士たちと俺たちが

帰るのを待ってくれ」


「三人で大丈夫......」


 不安そうにミニークがいう。


「俺には転移の界獣がいる。 最悪、それで三人で逃げられる」


「すごいな。 それならどんな罠でも回避できそうだ」


 シャガが興奮気味にいった。



「ルエルどうだ......」


「魔力は感じませんね......」


 俺たちは洞窟内にはいる。 壁には松明が掲げられていた。


「人気もない...... 完全に罠だな」


 シャガの剣を握る力がはいってるのがわかる。


(さすがに見張りもいないのは変だな)


 俺はすぐにシェリーたちを呼び出した。


「......先に進もう」


 奥につくと、一人座っている人物がいる。


「よう。 遅いな。 ちっ、フィグルスは来ねえか...... まあいい、来るまで待てばいいからな」


 そのどすの効いた低い声には聞き覚えがあった。


「お前がゼクドか」


「そうだ。 お前は俺たちを襲ったあの時のハンターだな...... 聞いてるぜ、リルをさらったってな」 


 そう笑みを浮かべている。


「お前たちだろ。 リルをさらったのは」


「俺たちはあいつに食い物を与えていた、その見返りで仕事をさせただけだ」


「盗賊風情がなめるなよ!! 【ジアルガ】!!」


 シャガの隣に白いゴリラのような大きな界獣が現れた。 シャガの扱う怪力界獣だ。 ジアルガは壁をかけるとゼクドに飛びかかる。


「お前らはいいよなぁ! 界獣に選ばれてよぉ!」


 ゼクドが叫ぶと懐から手鏡を出した。


「シャガ! とめろ!」


「なっ!」


「こい!!」


 手鏡が輝くと、黒い霧が立ち込め渦になると、水もないのに空中に巨大な鈍色のサメが現れる。


「これは!? 界獣!!」


「いえ、これは禁獣です!」


 ルエルが叫んだ。


「じゃあな...... せいぜいそいつに遊ばれていろ、召喚士さま」


 ゼクドが黒い霧に包まれ消えた。


 

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