おまけ 肝試し
「さてと・・・いい時間になりました皆さん!今日のメインイベント肝試し大会!イエ~イ!」
テンション高めに場を仕切る和馬
イエーイ!と拍手する森村くん
盛り上がっているのはこの2人だけだ
正直、肝試しって何が楽しいんだろう
暗いところを歩いて行くのが楽しんだろうか
「和馬くん・・ここで肝試しするの?」
「うん!」
ここはこの街にある古い墓地
でも、人のお墓の中を歩くのは罰当たりだから
その墓地に隣接している公園の端から端を歩くことになった
しかもここは、前から出るって噂があるところだ
私はそういう類のものは見えないけど
見える人にはいろんなものが見えているんだろうな
「和馬くんは私が守るから安心してね!」
「え?何が?」
「変なものが近づいてきても私が祓ってあげる!」
「え?えぇ?」
よし、行こう!と
まどかが和馬の手を取って歩き出した
あそこのカップル、たまに性別が逆なんじゃ・・・と思う時がある
二人が出発してからしばらくして
私たちも歩き出した
公園とはいえ夜になると少し不気味だ
しかも墓地が隣接しているというのがその不気味さを強調している気がする
「氷室怖いの平気?」
「見えないからなぁ、別に平気だな」
「私も平気なんだよね」
私たちが肝試ししても仕方ないか
あははって笑う私に氷室が指をさす
何かなと思って刺された指の方向を振り向くと
隣にいる森村くんがめちゃくちゃ震えていた
「森村くん!?」
「見えない、見えない・・・オレは何も見えない」
「森村くんめっちゃ震えてる」
「あいつ怖がりなんだよ」
「じゃあなんであんなにテンション高かったのさ!」
あ、涙まで出てきてる
やばい、このままだとこの人歩けなくなる
「とりあえず森村くんを真ん中にしよう!」
「そうだな!よし、真は真ん中に来い!」
森村くんを真ん中に挟んで
3人で手つないで歩く
ちょっとした物音にもビクビクして
そのたびに手を強く握られる
痛い、ものすごく・・・・
ようやく公園の半分までついたところで
ガサガサと大きな音がした
その音に森村くんの足が止まる
「ほら、行くぞ」
「何かいる・・・」
「動物かなんかでしょ?」
ほら、と手を引っ張るけど全然動かない
もう、怖いなら肝試しするなよ
「怖いのはわかるけど、立ち止まってたらずっと怖いままだよ!」
「むりー!なんかいるぅ!」
「何もいないって」
氷室と二人で森村くんを引っ張るけど
全然動かない
もう置いて行こうかな?と思ったそのとき
「「うおー!!!」」という叫び声とともに茂みから
和馬とまどかが飛び出してきた
「うわぁ!」
「うぉ!」
「あははーびっくりした?」
「したよー もう何してるの?」
驚かそうと思ってーと楽しそうに和馬とまどかが笑ってる
いたずらが成功して楽しんだろう
あれ?そういえば森村くんは?
こんなとき一番驚く人なのに
「・・・・森村くん!!」
振り向くと森村くんが口から泡を吹いて倒れていた
「きゃー!!」
「驚きすぎて声もでなかったんだ」
「森村くん・・・」
倒れた森村くんを囲んで「もう肝試しはやめようね」という和馬の言葉に
みんなが静かに頷いた




