第23話
教室のドアの音にびっくりしたのか、相沢がすごい形相で振り返る
そして和馬を見てさらに驚いて目を見開く
突然のことで固まる相沢を無視して和馬はまどかに近づく
「大丈夫?ごめんね・・」と優しくまどかの肩を抱いてそれから
相沢の持っていたカッターを奪い取る
「・・・・なんで、天の橋をかばうの」
「オレの彼女だから、そっちこそ、なんで天の橋さんにこんなことするの?」
「私は別れるってことに納得なんかしてない!それになんで天の橋なんだよ!そんな性格悪い奴と付き合うなんて許せない!」
「性格の悪さについて相沢にとやかく言われたくない」と氷室がつぶやく
それ激しく同意するわ・・・
「天の橋さんの性格が云々とか、相沢には関係ないだろ!オレが好きになったんだ!付き合う理由なんてそれでいいだろ!」
「和馬ぁ・・・・」
「もうこんなことするのはやめて、口で言ってもわからないならさ・・・同じように痛い目見せなきゃわかんない?」
和馬は相沢から奪ったカッターの刃をゆっくりと出して
相沢がまどかにしたように、首元に近づけた
いつと違う和馬とその行動に相沢は怯えて、動くことも声を出すこともできない
これ以上はやばい、止めなきゃ!教室に入って止めようとしたのと同時に
「蒼樹くん!やめて!」とまどかが和馬を制した
「天の橋さん・・・?」
「駄目だよ、蒼樹くん、こんな人のために蒼樹くんが手を汚すことなんてない!」
「でも」
「いい!私は大丈夫」
和馬の表情がいつもの優しいものに変わった
「もうこんなことしないで」と相沢に言って2人は教室を出て行った
私や氷室の存在なんか忘れてるかのように、まどかのほうだけをみて東校舎を後にした
それを見て私も氷室もホッとした
それと同時に和馬がまどかのこと本当に好きなんだという現実を突き付けられた
「けじめ・・・つけなきゃいけないのかな」
「姫条?」
「私、和馬のこと完全に断ち切らなきゃダメだと思う」
「・・・・?なんで急に」
「和馬ともまどかとも・・・私ずっと仲良くしていきたいから」
きっとあの2人は長く続くはずだ
それなら、いつまでも片思いしているなんてつらいだけだ
「姫条がしたいようにすればいいんじゃねーか?」
「そう・・・・じゃあ、とりあえず相沢殴ってきてもいい?」
「だから、好きにすればいいんじゃねー?」
お前のことなんだからという氷室の言葉が
胸に沁みた




