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優しさに眩む《読書2・暫定》
「全く、父様も何を考えてるんだが……」
「――姉さん」
「解ってるわよ。言われた事はちゃんとやるわ」
「それなら……良いですけど」
学生寮の自室へ引っ込んだ姉妹はそんなやり取りを交わす。
不満を述べる姉に、窘める妹。若干の怒りを込めて注意を促せば、肩を竦められて逃げられる。
押しても引かれ、会話はそれ以上続かない――――血を分けた姉妹であるのに、まるで他人の如き距離感。
学院で見せていたのはまるで演技だったと言わんばかりの冷めた関係がそこにあった。




