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勇者に転生したがスキル【調べる】しか使えず、全然強くないけど、頼れる仲間と魔王を倒します!  作者: 雨のち晴れ
双子のこれからと、アギトの新たな旅

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双子の絶望へのカウントダウン~第2部 折れた2つの心~

【ガンッ】


突如、頭に強い衝撃をうけるルナ


「がははははっ!どうだ?いてーか?親分?」


「な、なにをする…………」


「何をする?そんなの決まってんだろ!虐めだよ、虐め!」


「いじめだと?ルナにこんなことをしたら、どうなるかわかってるのか?」


「あぁ?知らねーな?どうなるんだ?教えてくれよ、お兄さん達馬鹿だからわかりましぇーん………ははははっ!」


「くそ!ルナをいじめたら、ステラやアギトがきっとゆるさないぞ!わかってるのか!?」


「わからねーなぁ!だって、お前はここで死んで、死体も魔物に食われる、そして俺達は冒険者ギルドに戻り、見たこともない魔物に襲われ、渋々逃げてきた。と言えば済む話さ」


「残念ね、お嬢ちゃん私達に目を付けられたのが運の尽き、この武器も高く売れそうだから私達が売っておいてあげる。あなたには勿体ない代物だからね」


「か、かえせ!それは、ルナがひげにつくってもらった、たいせつなものだ!」


「嫌だね!こいつは俺達の物だ!勝手に俺達に渡したお前が悪い!何処に、自分の武器を見ず知らずの冒険者に渡す奴がいるよ。お前が馬鹿で助かったわ!」


「今日は、この武器を売ったお金でたらふく良い物食べさせてもらうぜ!感謝しろよ、お前さんは俺達の役に立ったんだからな!」


「かえせ!」


「無理!どうしてもって言うなら金出せや、雑魚が!」


「お、おかねをだせばかえしてくれるんだな?」


「あぁ!返してやるよ?持ってんのか?」


「…………」


「どうなんだ?答えろ!」


「こ、これしかない…………」


ルナは、大輔から貰った大切な熊のお財布を男達に差し出した。しかし、お金などそこには入っておらず、入っていたのはただの石ころだった…………


【ガンッ】


「うっ…………」


「てめー、なめてんのか!大人をナメるのもいい加減にしろ!」


「ルナはこどもだから、おかねがない…………」


「ちっ!まぁ、わかってはいたがよ………。まさか1ゴールド持ってねーとはな…………」


「た、たのむ。ぶきとさいふをかえして…………」


「頼む?それが人様にお願いする態度か?お願いしますだろ?」


「お、おねがいします。そのぶきと、おさいふをかえしてください。たいせつなものなんです。ルナがだいすきなひとからもらったんです。おねがいします。う……ぅう…………」


「ちっ!泣くんじゃねーよ!こっちが悪いことしてるみてーじゃねーか!」


「いやいやアーサー、俺達悪いことをしてるぜ!子供からカツアゲしてるんだしよ!」


「あはははっ!そうね、私達とても悪いことをしてるわね!」


「あっ!そうだな!そうだった、俺達は悪いことをしてるんだった。でもそうだな、俺達も鬼じゃねー、これは返してやるよ………ほれ!」


男は、熊の財布をルナへと投げた。しかし、魔法使いの女がその財布に魔法を唱えた。


「ファイアーボール」


「う、うわぁぁぁぁ。やめろぉぉぉ」


魔法使いが放ったファイアーボールにより、大輔から貰った財布は灰になってしまった。


「あー、ごめんごめん。手が滑っちゃった。テヘッ」


「きさまぁ!ゆるさないぞ!」


ルナは泣きながら女へと飛び掛かる。しかし、相手もAランクパーティー、ルナの攻撃など当たるはずがない。


【ゴンッ】


「………ぐっ」


魔法使いの女は、ルナの胴体を目掛け思いっきり叩く


「あはははっ。お嬢ちゃん弱いわね!そんなんじゃ、直ぐに死んじゃうよ?」


【ゴンッ】【ゴンッ】【ゴンッ】


立て続けに、女は杖でルナを叩く。ルナは体を丸くして、女の攻撃を耐える。


「う……うぅ………いたい…………いたいよステラ…………。たすけてステラ…………」


「残念ね、助け何て来ないわよ?」


「う……うぅ…………うぅぅ…………」


「もういいんじゃねーか?とっとと、お前の魔法でチリにしてやれよ!」


「それもそうね…………。こんな雑魚相手にするのも疲れるわ」


「良かったな、嬢ちゃん痛みすら感じることなく死ねるぞ?」


「何を言ってるの?ジワリジワリ、焼き殺すに決まってるじゃない!」


「うひょー!怖いね!」


「まずは、その可愛い顔から焼いてあげる」


「うぅ…………う………ごめんなさい。たすけてください」


「きこえないわね!」


「…………ごめんなさい」


「その台詞、聞き飽きたわ。じゃね、ファイアーボ………」


その時、魔法使いの女へと向けて鋭い衝撃波が飛んできた。すかさず剣士の男がカバーに入る。


【ガキンッ】


「ちっ!今度は何だ?」


「………ルナから離れろ。その汚い手で、私の妹に触れるな」


「何だぁテメーは」


「………ス、ステラ………どうして」


「…………どうしてって。そんなの決まってる。私の大切な妹だもの」


「あぁん?てめー、このガキの姉貴か?」


「…………そうよ」


「そうかよ………。だったら、テメーも殺さねーとな!」


「………やれるものならやって見なさい」


「上等じゃねーか!死ねやボケが!」


【スキル 武神の瞬き】


アーサーが剣を抜きステラへと振り抜く。しかし、ステラは自身の固有スキル【武神の瞬き】を発動し、その神速の一撃を完全に見切っていた。


「なっ!」


(いいか、ステラ!この魔石を使った攻撃は岩をも砕くんだ。決して人には使ってはダメだ!いいな、約束だぞ!)


ステラは大輔との約束を思い出していた。手首を返せば、強烈な一撃を放てる。しかし、それは人をも殺しかねない攻撃だと。

ステラは、純粋な拳だけの攻撃でアーサーに攻撃を加える。


【ドゴッ】


「くっ」


アーサーは、顔面にステラの攻撃を食らうが大してダメージは無い。


「ふんっ!こんなものかお前の力は!子供だけあって、大した威力じゃねーな!」


「………やはり、私の力じゃ大人にはダメージがない」


「ほら、どうした?もう終わりか?さっきはなぜか避けられたが、次はそうはいかねーぞ!」


「…………上等!何度でも避けて見せる」


「フンッ!行くぞ!」


【シュッ】【シュッ】【シュッ】


「…………何度やっても同じ、あなたの攻撃は見切ってる」


「ほう、ならこれならどうだ!ポルカ、手を貸せ!お前の魔法で牽制しろ!」


「了解!任せておいて!ファイアーボール!」


「…………くっ」


「ほら、こっちにも注意しねーと!」


【ザシュ】


ここで、初めてステラにアーサーの攻撃が当たる。


「おもった通りだぜ!お前さんは、1人の動きしか先読みできねーみたいだな!なら、タイミングを少しずらせばどうってことはねー!」


「…………」


「まだまだ行くぞ!」


【ガンッ】【ボンッ】【シュッ】


「…………くっ!この程度で!」


ここで、ステラは大輔の言いつけを破った。魔石による攻撃をしてしまったのだ。


「…………このぉぉぉぉ!」


【ガキッ―――ン】


【カラッ―――ン】


「なっ!」


アーサーは、ステラの攻撃を受け止めたが、その後に繰り出された衝撃波まではガード出来ずに剣がはじけ飛ぶ


「…………これでも、まだやろうって言うの!」


「くそ、どんなカラクリかは知らねーが上等じゃねーか!」


「…………降参するなら今のうち」


「誰に言ってやがる!」


「…………そう。じゃ、死になさい!」


「テメーがな!」


男は、腰に装備していた予備のナイフでステラを攻撃する。しかし、ステラもまた武神の瞬きで相手の攻撃を避ける。すぐに、ステラも反撃するがアーサーには当たらない。


「お前の攻撃をガードさえしなけりゃいいんだ!避けちまえばどうという事は無い」


「…………ちっ」


ステラは自分の弱点をつかれ焦り始める。お互い攻撃が当たらないまま時間だけが過ぎていく。だが、それも終わろうとしていた。


「そこを動くな、チビ野郎!こいつがどうなってもいいのか?」


「う……ぅう…………ステラ…………」


戦いを止めたのは、荷物持ちのサポータの男だった。男は、ルナにナイフ突き付けステラを脅す。


「…………卑怯な」


「何しやがる、ジョン!俺達の戦いに水を差すな!」


「アーサーこそ、いつまでこんなことをやっている!俺達には、こんなことをしている時間は無いだろ?」


「それもそうね。とっととこいつらの武器を奪って街に戻ろうぜ?」


「…………そんなことはさせない」


「おっと、そこを動くなよ!一歩でも動いたら、こいつの命はないぜ?わかったなら、お前のその武器もここに置いて行け」


「ちっ!まぁいい。言う通りにしろ、お前だって死にたくねーだろ?」


「…………ダメステラ。そんなやつらのいうこときいちゃ」


「うっせー!オメーは黙ってろ!それともなんだ、死にてーのか?こんなふざけた帽子被りやがって!」


男はルナの帽子を取ろうとした。しかし、ルナもこれだけは奪われたくないと必死に帽子を押さえる。これを奪われたら、アギト達との絆が無くなってしまうと考えてからである。


「はなせ!」


「こ、この…………。強情だなこのチビ…………」


【グググググッ】


「これだけはぜったいはなすもんか…………」


「この野郎!おりゃ!」


【ビリッ】


大きな音を立て、熊の帽子の耳の部分がちぎれてしまった。


「あーあ、素直に渡さないからちぎれちまったじゃねーか!」


「あぁぁぁぁぁぁぁ」


「おいおい、大げさだなただの帽子じゃないか!」


「うわぁぁぁぁぁぁぁん」


「…………貴様――!」


我を忘れたステラがジョンに向けて衝撃波を放つ!ジョンはまともにくらい吹き飛んでいく!まともに衝撃波食らったジョンは、右半身が木っ端みじんに消し飛んだ。


「ジョ―――ンッ」


木にもたれかかるジョンに格闘家の男が詰め寄る。そして


「ダメだ…………。死んでる」


「クソガキがぁぁぁぁ!」


仲間がやられて、キレるアーサー。すぐに、ポルカも魔法でステラを攻撃しようとする。しかし、


「ポルカ!そこの熊野郎を殺せ!今直ぐにだ!」


「わかったわ!ファイアーボール!」


ルナは、ちぎれてしまった熊の帽子を守る様にして体を丸くする。


【ボ―ッン】


「ぎゃゃゃぁぁ。アツい、アツい。いたいよ、ステラ………」


「…………ルナ!」


ステラはすぐにルナの元へと駆け寄る。しかし、ルナは全身が火傷覆われていた。


「………いたいよ…………おねえちゃん…………うぅ…………」


「…………ルナ、しっかりしなさい!大丈夫!お姉ちゃんが必ず守るから」


「………いたい…………いたいよ…………おねえちゃん」


「………これは置いて行く。だから見逃してくれないかしら」


ステラは、阿修羅を外しアーサーの方へと投げつける。


「これだけで済むと思ってんのか!こっちは仲間を殺されてるんだぞ!」


「…………殺してしまった事は謝る。そして、私達姉妹が全面的に悪いと王様にも言う。だから、ここは見逃してくれないかしら…………」


「…………ちっ!まぁ、どの道あのくそ野郎はパーティから追い出す予定だったからいいけど、だがしかしそれだけじゃ俺の気が収まらねー!テメーをボコボコにしてから消えてやるよ!」


「………それで構わない。さぁ、やって」


「………だめだよ。おねえちゃん………しんじゃうよ」


「………ありがとうルナ。大丈夫、私は死なないわ。さぁ、やって覚悟は出来てる」


それからのステラへの仕打ちは酷い物だった。顔は腫れあがり、無数の火傷、もはや生きている事すら奇跡だった。そして、ピクリとも動かなくなったステラを見たアーサー達は、飽きたのかステラ達の武器を拾い、その場を後にしたのであった。

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