なんでいっしょにいてくれないの?~おバカトリオ、まさかの修羅場へ~
「さてアギト、死ぬ前に何か言っておきたい事はあるかしら?」
今、天使の宴のクランハウスの応接室には、エリス、ユイ、ティファと手足を縛られ椅子に座らされているアギト、ステラ、ルナが居た。
「聞いてくれティファ、これはルナが勝手にやったことであって、俺の意志ではない!本当だ!」
「うそをつくなアギト!おまえがさわりたいといったから、ルナたちがてをかしたんだ!」
「てめー!俺はそんな事は一言も言ってないぞ!ふざけたことを言うな!」
「うるさい!じっさい、さわろうとしたじゃないか!かおがスケベになってたぞ!」
「違う!そんなことは決してない!ステラからも何か言ってやってくれ!」
「………アギトはスケベな顔をしてた」
「こらぁ!お前まで何てことを言うんだ!」
「ほらみろ!ステラだってこういってるんだ!だから、はやくなわをほどけ!わかったか!」
「ごちゃごちゃうるさいわよ、ルナちゃん!?元はと言えば、あなたがお姉ちゃんのおっぱいを触らせろと言ったのが始まりでしょ?」
「うっ………そ、それは…………」
「………すべての責任はルナにある。私達は被害者」
「あー!ステラ、なんてことをいうんだ!ルナにすべてをおしつぶそうとするな!」
「………押し付けようとするなね!」
「そ、そう!それだ!」
「はぁ、まぁ未遂に終わったからいいけど次こんなことしたら本当に許さないわよ?わかった?」
「「「……はい」」」
「それはそうと、なぜアギト様ここに?」
ここで、誰もが思っていた事をエリスが尋ねた
「いや、実はエリス様にお願いがあって今日はここに来ました」
「お願い?何かしら?」
アギトはこれまでの事をエリス、ユイ、ティファに話した。
「なるほど。アギト様のクランの戦力が整うまでこの2人を預かれと…………」
「はい。無理なお願いを言ってるのはわかっています」
「やだ!やっぱりアギトとはなれたくない!」
ここでまたもや駄々をこねはじめるルナが居た
「しょうがないだろ、俺達のクランにはまだお前達姉妹を守ってやれる力はないんだ…………」
「だったら、このおねえちゃんたちがアギトのところにくればいいじゃないか!」
「そうもいかないんだよルナ。このお姉ちゃん達は、この街を守るって仕事があるんだ」
「そんなの、ほかのやつにやらせればいいだろ!」
「………ルナ、それが出来ないから私達はここに預けられるのよ」
「なんで!ルナ、おバカだからぜんぜんわかんない!なんでいっしょにいてくれないの?」
ルナは、目に大きな涙を浮かべステラに抗議した
「………前にも言ったでしょ、私達が弱いからよ。私達がいたら、アギトの邪魔になるだけ!少しは言う事を聞きなさい!」
「うるさい!ステラなんてもうしらない!」
ルナは、泣きながら部屋を飛び出して行った
「………分からず屋」
「ねぇ、追いかけなくて大丈夫?」
「…………私が行く」
「そうだな。こういう時は、姉妹のステラが行くのがベストかもな。ルナを連れ戻しに行ってくれるか?」
「…………任せて」
そして、部屋を飛び出して行ったルナは、屋敷を飛び出して街へと向かっていた。その様子を先程アギト達を屋敷へと入れまいとしていた門番2人が見ていた
「ん?おい、あれってアギト様が連れていた熊の子だよな?」
「あぁ。何だかだいぶ急いでいるみたいだけど何かあったのか?」
「さぁ…………」
「くそ!なんでアギトはルナのきもちをわかってくれないんだ!」
街中を泣きながら走るルナ
「ルナがよわいからいけないのか…………」
初めて訪れた街の中を歩き回るルナ。街の中には、数多くの冒険者たちが居る。そして、ルナは閃いた
「そうだ!ルナがよわいならつよくなればいい!だれにもまけないくらいに…………そうすればアギトだってきっとかんがえなおしてくれる!よーしっ!」
ルナは、街の中を歩いている冒険者パーティに片っ端から話しかける。
「おい、おまえ!ルナつよくしてくれ!」
「はぁ?何言ってんだこの子供は…………」
「どうしたの?お嬢ちゃん迷子?」
「ちがう!おじょうちゃんじゃない、ルナだ!」
「そっか、ごめんごめん。ルナちゃんは迷子なの?お父さんとお母さんは?」
「そんなのいない!」
「いない?」
「そうだ!いない!だから、ルナはつよくならなくちゃいけない!ルナをつよくしろ!」
「何だよ、このガキ。それが人に対してお願いする態度かよ!」
「うるさい!はやくしろ!わかったか!」
「わからねーよ!それに、俺達は忙しいんだ、どっか行け!シッ、シッ」
「ごめんねルナちゃん、私達急いでいるの。遊び相手を探しているなら他を探してね!」
「あっ!こらまて!まだ、はなしはおわってないぞ!」
冒険者パーティは、ルナの話を聞かずその場を後にした
「くそ!つぎだ!」
この後も、ルナは手あたり次第冒険者パーティに声をかけていく。そして、冒険者パーティが次々と入って行く建物を見つけ、ルナもまたその中へと入って行った。その頃、ルナを探しに行ったステラはと言うと
「…………すみません、熊の帽子を被った私と同じぐらいの女の子を見ませんでしたか?」
ステラは、ルナが屋敷からは出ないと思い屋敷の敷地内にいる天使の宴の冒険者パーティ達に聞き込みを行なっていた
「熊の帽子を被った君と同じ年くらいの女の子?いや…………見てないな」
「…………そうですか。ありがとうございます」
「迷子か何かか?俺達もこれから街にいくつもりだから一緒に探してあげようか?」
「………いえ、これは私達姉妹の問題なので大丈夫です。私1人で探します」
「そっか。じゃ、見かけたらここに戻る様に伝えておいてやるよ!」
「………すみません。感謝します」
「なーに、いいって事よ!それに、ここに入れているなら俺達は仲間だしな!」
「…………な、仲間?」
「そうさ!ここの屋敷には、天使の宴以外の人間は入れないからな!そして、ここに居るお嬢ちゃんも俺達の仲間ってこと!仲間が困っているのに助けないのは、天使の宴の理に反するからな!」
「…………」
「だからさ、気にすんなよ!俺の仲間も、みんなそう思ってるしよ!だろっ!?」
「そうだぜ」
「そうよお嬢ちゃん。仲間同士、助け合わないと!」
「うむっ」
「ってなわけで、俺達も街に行くついでに気を付けてみておいてやるよ!」
「…………ありがとう」
ステラは、お礼を言ってお辞儀し次の冒険者達に話かける。しかし、誰もルナを見た者は居なかった。そして、屋敷の門番にも話しかける
「………すみません。ちょっとよろしいでしょうか?」
「ん?あれ?君はさっきの熊っ子の片割れじゃないか?」
「…………ステラと言います。そして、熊の帽子を被った子はルナ、私の双子の妹です」
「なるほど、どおりで顔がそっくりなわけだ。んでどうした?」
「………はい。ちょっとルナと喧嘩してしまい部屋から飛び出して行ってしまったんです。それで、探しているのですが中々見つけられず困っているのです」
「あー、なるほどな。あの熊っ子なら、少し前に見たぜ!慌てて街の方に走っていく姿をな…………」
「………本当ですか!」
「あぁ、間違いない!あいつも見ていたしよ!なっ!?」
「おう。随分急いでいたから話しかける暇もなかったよ」
「…………そうですか。ありがとうございます」
「探しに行くのか?なら、誰か冒険者を連れて行くのをお勧めするぜ!この街は、他の街と違って治安は良い方だが、それでもクソみたいな冒険者も居るからな」
「………大丈夫です。私も一応は戦えます」
「ならいいが、気を付けろよ!何かあったらすぐに戻って来い!俺達が、天使の宴のパーティーに掛け合ってやるからよ!」
「…………ありがとうございます。では、失礼いたします」
こうして、ステラはルナを探しに街へと繰り出した。だが、この後門番の2人が言っていたように誰か冒険者を連れて行った方がいいと言う忠告を受け入れていればよかったと思う羽目になることに、この時はまだ気づいていなかった。




