悪のおやだま、ざんねんおっぱい!
翌日、アギト達は拠点ではやる事がないためステラとルナを連れてライザへと来ていた。ロックフォールよりも大きな街にルナはテンションが爆上がりしていた。
「おぉ!すごいぞ、アギト!まるでひとがご………もごもごもご」
アギトはルナが最後まで言葉を発する前に口を両手で押さえた。
「それ以上は言っちゃダメだ」
「もご………もご…………もご」
「おい、ステラ!お前達は元の世界でどんな生活してきたんだ…………」
「………ママは仕事でいつもいないから、私がルナの面倒を見ていた。どうしても、私が手を離せないときはアニメを見せて静かにさせていた」
「なるほど…………。それで色んな言葉を知っているのか」
「…………」
「んー………んー………んー」
「おっと、いけね…………」
「ぷはっ!なにをするアギト!あやうくしなないところだったぞ!」
「お前、死にたかったのか?」
「………ルナ、それを言うなら『死ぬところだったぞ!』でしょ」
「そう、それだ!どう、かんねんするんだ?」
「観念?」
「………観念?」
「そうだ!」
「ステラ、ルナの言いたい事わかるか?」
「………いや、流石に意味が分からなさ過ぎて見当もつかない」
「だよな…………」
「なにをごちゃごちゃいっている!」
「なぁ、ルナ!観念の使い方間違ってるぞ?」
「なに!?そうなのか?」
「………誰かを追い詰めた時に使う言葉。さっきの流れだと、別にアギトは追い詰められていない」
「なんとぉー!!」
「お前、マジ何歳だよ!?」
「白菜!」
「じじぃか!」
「………ルナ、くだらなすぎて引くレベル」
【ガーン】
「ス、ステラまで…………」
「………アギト、お腹すいた」
「おっ?珍しいな、ステラからそんな言葉が出るとは……。ルナが担当のセリフだと思ったら」
「………ルナの相手をするのは体力がいる」
「違いない…………」
「あー!いま、ふたりともルナをバカにしたな!」
「してない、してない!ほ、ほらルナ何か食べ物を買いに行くぞ!」
「おぉ!いくぞ!」
「おいおい、そんな走ると危ないぞ!」
「うるさい!はやくしろ!わかったか!」
「何か……俺に対する口調もみんなと同じになってきた気が…………」
「………ステラが後で怒っておく」
「いや、別にいいんだ!気にしてない!」
「………でも」
「なにしてる!はやくこい!」
「わかった、わかった!今行くから!」
アギトとステラは先を行くルナを小走りで追いかけた。それを見たルナは、どんどん先に行く。そして、屋台の並ぶ商業区へとやってきた。
「おぉ!おいしそうなのがいっぱいある」
「そうだな。いっぱいだな!」
「アギト!ルナ、あれがいい!それと、あれも………こっちのもいい!」
「………ルナ、1個にしなさい」
「なんで!ルナぜんぶたべたいもん!」
「………ダメよ!お金持ってないでしょ!?」
「もってるもん!」
そう言って、ルナは熊の財布を出す。
「………石じゃ物は買えない。この前言われたでしょ?」
「あっ!」
ルナは、この前のジュース事件を思い出し、しょんぼりする。
「石?何の話しだ?」
「……この前、散歩していた時に喉が渇いて飲み物を買おうとしたら、私達はお金を持っていなくて、ルナが集めていた石で買おうとしてたの」
「なるほど。そうか、俺もそこまで気が回らなかったな。お小遣いか…………。確かに無いのはまずいな、じゃ2人には俺からお小遣いをあげよう」
「………それはダメ」
「なぜ?」
「………これ以上アギトに甘えるのは許されない。ただでさえ、ママの事で甘えているのに」
「別にそれぐらいいいじゃないか!」
「………ダメ!絶対にダメ!」
「んー」
「アギト!おなかすいた!はやくかって!」
「お、おう今行く!ちょっと待ってろ!」
「………ちょっとアギト!」
「今回だけは良いだろ?ここでルナを怒らすと、後々面倒だし」
「………まぁ、確かに。じゃ、今回だけ甘える」
「よし!じゃ、いくぞステラ!」
「………うん」
結局、この後大量に食べ物を買い、ルナは食べきれずステラの逆鱗に触れて物凄く怒られるのであった。そして、その後はお土産という物も存在していて、そこでもルナはアギトにおねだりをしていた。そして
「ただいま…………。疲れた」
「………ただいま」
「おっ!おかえり!ってアギトの兄ちゃんだいぶ疲れてんな?平気かよ…………」
「あぁ、何とか…………」
「ふははははっ!あらわれたなあくとう!きょうこそ、このくまレンジャーのちびっくまがたおしてやる!おぼえておけよ!」
【バッ!】
ルナは、戦隊もののようにかっこよくポーズをとるのだが、ルナのいつもの迷言にアギトがツッコミを入れる。
「どっちなんだよ?逃げるのか?倒すのか?それに、赤いお面してるのにクマレッドとかじゃなく、チビっ熊なの?」
「うるさい!おまえもたおしてやる!ゆうしゃアギト!」
「いや、チビ助!勇者を倒したらダメだろ!どっちかと言うと、アギトの兄ちゃんはそっちの味方だぞ?」
「あっ!そうか!ゆうしゃはわるいやつをこらしめるんだった!」
「大丈夫か………これ」
すると、リビングの奥から賑やかな声を聞きつけてアリスがやってきた。
「何よ騒がしいわね。落ち着いて仕事できないじゃない………って、何この状況」
「でたな!あくのおやだま、ざんねんおっぱい!」
「誰が!残念おっぱいよ!あんた、死にたいの!」
「うるさい!おっぱいがちっちゃいからざんねんおっぱいだ!」
「殺す…………」
【ボカッ】
【ドカッ】
【ガンッ】
「ぐへっ」
「おい、チビ助。なにやられてんだよ…………」
「馬鹿ね………。あたしに喧嘩売るからよ!」
「………くっ!つよい」
「さ、こんなバカ熊はほおっておいて仕事に戻りましょ」
「お、おのれ………ゆるさんぞ」
「あぁん、まだやろうって言うの?上等じゃない、かかって来なさいよ!」
「くっ………こうなったら…………いけ!あくとう!あのざんねんおっぱいをたおすんだ!」
「えぇ!何で俺?俺、悪党なんだろ?どっちかと言えばアリスさんの味方なんだが…………」
「うるさいだまれ!そんなのうらぎればいいだろ!どうした?はやくしろ!わかったか?」
「何!?あんたもあたしとやり合うの?」
「いえ、やりません。ごめんなさい」
ガイは、自分が被害にあうと思いすぐにリビングを出て行く。
「あー!こら!ルナをおいていくな!ま、まてー!」
「さぁ、続きといきましょうか…………」
「こうなったら…………アギト!おまえにまかせた!いけー!」
「…………」
「アギトなら、さっきガイと一緒に出て行ったわよ?」
「なに…………」
「さ、いくわよ?覚悟は出来たかしら?」
「ま、まて…………や、やめてくれ…………」
「喧嘩売ったあんたが悪い。覚悟しなさい」
「ぎゃぁぁぁぁぁ」
この後、ルナはいつも通り顔が倍にまで膨れ上がるほどアリスにボコボコニされた。
「………ぐへっ」




