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勇者に転生したがスキル【調べる】しか使えず、全然強くないけど、頼れる仲間と魔王を倒します!  作者: 雨のち晴れ
双子のこれからと、アギトの新たな旅

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石ころ財布と、悪党のガイ

一方その頃ルナと外に出て行ったステラ達はと言うと、拠点の村の中を見て回っていた。そこには、ロブとその弟子達により色々な建物が立っていた。

王の命令により、拠点の警備を任せられている兵士たちの宿、そして冒険者が立ち寄る酒場兼宿屋、看板こそまだないが恐らくは生産職の人々が使える建物など様々だ。


「おぉ!ひとがいっぱいいる!」


「………そうね。冒険者と思われる人たちは居ないけど、何やら騎士の人たちもいる」


すると、二人の騎士がステラ達に話かけてきた。


「おや?これはこれは小さなお客さんだね?どうしたんだい、迷子か?」


「ちがう!ルナたちはたいけんしてるだけだ!」


「体験?」


「………違う、探検」


「あぁ、この村を探検していたのか!そうかそうか」


「そうだ!だんぺんだ!」


「あはははっ」


「おまえはなにしてる?さては、ルナたちをゆかいしようとしてるな!そうはいかないぞ!」


「愉快?」


「………たぶん、誘拐と言いたいのだと思う」


「なるほど…………」


「で、どうなんだ!ゆかいするのか?だとしたら、ゆるさないぞ!」


「違う、違う!おじさん達は、この村に怪しい奴が居ないか見回りをしているんだ」


「ルナたちはあやしくないぞ!」


「そうかそうか、これはごめんよ…………」


「………構わない」


「ルナはあやしいやつをみたぞ!」


「なっ!本当か!そいつは何処に居た!?」


「いま、ルナたちのめのまえにいる!」


「目の前?」


警備をしている騎士たちは辺りを見渡す。しかし、そこにはステラ達と騎士の2人しかいない。


「どこをみているんだ!あやしいのはおまえたちだ!」


「えっ?俺達?」


「そうだ!ぶきだってもっているじゃないか!それで、ルナたちをいじめてつれさるきだな!そうはいかないぞ!ステラがあいてをしてやる!」


「………何で私なの、ルナ?」


「だって、ステラつよいじゃん!それにルナはよわいもん!」


「………嫌よ私は。やるならルナ1人でやりなさいよ」


「やだ、やだ!ステラがやって!」


「………嫌」


「ぶぅー!ステラのけち!」


「………そもそも、この人たちは怪しい人じゃない。着ている鎧に国か何かのマークがついている。そんな人たちがこんな所で堂々と誘拐などしない」


ルナは振り返り騎士達に確認をする。本当に怪しくないのかと。


「そうなのか?」


「あぁ、俺達はアリス様のお父上の言いつけによりこの村の警護を任されている」


「なんだ、そうなのか!なら、さいしょからいえ!」


「いや、最初から言っていたんだが…………」


「そんなことよりステラ、のどかわいた。ジュースもってる?」


「………もっているわけないでしょ?」


「うー」


「何だ嬢ちゃん、喉が渇いたのか?おじさんが何か買ってあげようか?」


「あー!ほらみろ、そうやってジュースでルナたちをうってゆかいするきだな!やっぱわるいやつだ、おまえたち!」


「売って愉快?」


「………釣って誘拐」


「あぁ、なるほど。よく理解できるな君は…………」


「………ルナは馬鹿だからもう慣れた」


「ステラ、いまルナのことばかっていったな!おこるぞ!」


「………ルナは弱いから怒っても怖くない」


「うっ!くそ、おぼえてろおまえたち!きょうのところはみのがしてやる!きのうあったら、ただじゃすまさないぞ!」


「………今度会ったらただじゃ済まさないぞ」


「そう、それだ!いこう、ステラ…………」


「………えっ、あ、うん」


ルナはステラの手を取りその場から離れていった。兵士たちは、あっけにとられただ茫然と2人の姿を見つめていた。


「何だったんですかねあの子達…………」


「さ、さぁ…………」


そして、ステラ達は飲み物を求め更に村の中を見て回った。そして、1つの建物の前へとやってきた。そこには、ジョッキが2つ描かれた看板がある酒場だった。恐る恐る入り口のドアを開けて入って行く2人。


「いらっしゃーい!空いてる席にどうぞ!」


女性の店員さんが大きな声でステラ達を招き入れる。


「おやおや?これはまた、小さいお客さんだね?」


「………飲み物が欲しい」


「あいよ、何にする?お嬢ちゃん達が飲めそうなのだと、オレンジジュースかぶどうジュース、あとは…………」


「こーら!」


「コーラ?何だいそりゃ?」


「おまえ、こーらをしらないのか!?」


「うーん、聞いたことないね。どんなやつだい?」


「えーっと、こうしゅわしゅわしててあまいやつ」


「シュワシュワしてて甘いやつ…………?」


「………ルナ、この世界にはコーラはない」


「えーっ!」


「ごめんねお嬢ちゃん。お姉さんもそのコーラ?ってやつわからないや」


「………じゃ、オレンジジュースとぶどうジュースください」


「あいよ、2つで200ギルになります!」


「!!!」


ステラは気づいてしまった。自分達はお金を持っていないと。この世界のお金の存在など気にも留めていなかった。洋服などは、アギトや大輔たちが買ってくれていた。自分達はそんなアギトや大輔にただ甘えてばかりだった。

すると、ここでルナがポケットから何かを出した。

それは、ロックフォールで別れの際、大輔が2人に渡した紙袋の中に入っていた熊の顔をした財布だった。

そして、その財布の中から何やら取り出した。


【カラッカランっ】


「これでジュースをかう!」


ルナがカウンターに出したのは、数個の小さな石ころだった。


「こ、これって………」


「どうした、はやくだせ!」


強盗のごとくルナは強い口調で女性の店員に言った。


「あ、あの。これじゃジュースはあげられないけど」


「なんで!ルナがいっしょうけんめいあつめたんだぞ!」


「集めたって言っても、これお金じゃないし…………」


「うるさいぞ!はやくしろ!」


「………ルナ。石じゃジュースは買えない」


「うぅ…………ど、どうしよう」


ルナは飲みたいジュースが買えない状況でうつむき、目に涙を浮かべる。


「………諦めて帰ろう」


「…………うん」


「ごめんね、また来てちょうだい」


「…………うん」


ステラはルナの手を引き店を後にしようとしたその時、


【ドンッ】


「………いたっ」


「いてててっ。すまん」


「………あっ!」


「あっ!」


ステラがぶつかった人物は、2人を探しに来たガイだった。


「探したぞ2人も。何やってんだこんな所で?」


「あー!おまえはあくとう!なんでここにいる!」


「こらっ!こんな場所でそんな呼び方するな!誤解されるだろ!」


「ここはいっかいだぞ!おまえ、バカだな?」


「お前には言われたくねーよ!ちげーよ!階数のはなしをしてんじゃねーよ!」


「………あなたこそこんな所で何してるの?」


「俺は、お前達を探しに来たんだよ!話が終わったからな!」


「………そう」


「んで、お前らはなぜここに?」


「………ジュースを買おうと思ったけど、お金が無かった」


「………」


「ぶっ!はははははっ!なんじゃそりゃ!お前達、金持ってねーのにここに来たのか!可笑しくてはらいてぇー!」


「…………」


「うるさい、わらうな!ステラをいじめるとゆるさないぞ!」


「悪い、悪い。別にそういうつもりじゃないんだ。んで、どれが飲みたい?俺が買ってやる!」


「………えっ?でも…………」


「遠慮はするな!お前達は、アギトさんが連れて来たんだ!なら俺はお前達を助けてやる義務がある。俺は前にアギトさんに助けられたからな。こんな事ぐらいしか恩返しできねーし!」


「………悪いからいい」


「かぁーっ!強情だな、こっちのねーちゃんは。じゃチビ助、お前は何飲みたい?」


「ぶどうジュース!」


「あいよ!じゃ少しここで待ってろ!」


そう言ってガイはカウンターに行き、オレンジジュースとぶどうジュース、それとチョコレートのかかったパンを2つ買って来てステラ達の所に戻って来た。そして、ルナにジュースとパンを渡した。


「ほらよ、チビ助!」


「おぉ!あくとういいやつ!」


「そう思うなら、その呼び方止めてくれ。俺はガイって名前がちゃんとある!」


「そうか!わかったぞ、あくとうのがい!」


「おめー、わざとだろそれ!」


【ジュジュジュゥュ】


「はぁ、まぁいいか。ほらよ、お前も飲め!」


続けてガイはステラにもジュースとパンを渡した。


「………ありがとう、ガイさん」


「姉ちゃんはしっかりしてるのにな、こっちのチビ助ときたら…………」


【ジュジュジュュュ】


「あくとうがい、おかわり!」


「はやっ!もう飲んだのかよ…………」


「はやくしろ!」


「へいへい…………」


「………ルナがごめんなさい」


「いいよ、いいよ。お前等は、まだ稼ぐ手段ねーしな!おまえもお代わりいるか?」


「…………私は平気」


「そかっ」


ガイは再びカウンターに行き、追加でぶどうジュースを買ってきた。


「ほら、お代わりだ!大事に飲めよ」


「おぉ!」


「お前達も、何か稼ぐ手段を考えないとな。親とかは居ないのか?」


「………ママが居る」


「じゃ、小遣いとかもらえばいいんじゃね?ダメなのか?」


「………ママは一緒じゃない。別の場所に転生されたとアギト達は言っていた。だからステラ達はママを探す旅に出る」


「えっ?お前達2人だけアギトさんに保護されたって事か?」


「………そう」


「だからルナたちはごしんぱいようにと、ひげにぶきをつくってもらった!」


「………護身用」


「あぁ、なるほど。けど、どうやって探すんだ?アギトさんは魔王を倒すために忙しいそうだし、お前等2人じゃ旅など出来ないだろうに…………」


「…………どうにかする」


「どうにかって…………。俺もメイと2人で旅をしてきたが、その日食うものだってろくに稼げなかったし、冒険者でもないお前達じゃどう考えても無理だろ」


「………でもやるしかない。アギトも旅の途中で手がかりを探すと言ってくれたけど、限界はあるはず」


「まぁ、そうだな…………」


「………ガイさん、お願いがある!」


「何だ?」


「…………これから聞くことは誰にも言わないと約束して」


「あ、あぁ!」


「………お願いと言うのは……」


こうして、ガイはステラ達を連れて屋敷へと戻っていった。

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