転生者達の帰還~最強の双子と賑やかな再会~
無事にブレイブハートの拠点に帰ってきたアギト達。久しぶりに帰って来たかと思えば、幾つもの建物が並び街までとは言わないが村の規模にはなっていた。
「おぉ!ここにアギトがすんでるおうちがあるのか!」
「……凄い。まるで村」
「あぁ、俺もびっくりしている。まさかここまで大きくなっているとわ……」
村の入り口に立っていたアギト達三人をロブが見つける。
「おう、アギトさん帰ってたのかい!」
「お久しぶりです、ロブさん」
「して、そちらのちっこいのは誰だい?」
「ちっこいっていうな!ルナはルナっていうんだ!おぼえておけ!」
「……ルナ、この人は髭輔とは違う。そんな言い方は良くない」
「ふんっ!そんなのしらない!このおっちゃんは、ルナのことちっちゃいってバカにした!ルナはおおきい!けしてちっちゃくない!ちっちゃいのはおっぱいだけ!」
「こらこらルナ、別にロブさんはルナの身長の事を言ってるんじゃないぞ?『その子供達はどうしたんだ?』と言っただけだ」
「なに?そうなのか?」
「あぁ、そうとも!アギトが見慣れない子供を連れていたからなっ。誤解させて悪いな、小さい熊さん!」
「あぁ!それもダメ!ルナのことをくまさんっていっていいのはひげだけ!」
「髭?」
「そう!ひげはひげ!」
「何じゃそりゃ?」
「すみませんロブさん、ルナの言う髭と言うのは俺がロックフォールで出会った凄腕の鍛冶師の事で…………」
「ほほう。そいつは会ってみたいな」
「ひげはすごいんだぞ!ルナにぶきをつくってくれたんだから!」
「何!?お前さん、その歳で戦うってのか?」
「ちがう!たしか、えーっと、ご、ご、ごしんぱいようにだっていってつくってくれた!」
「ご心配用?」
「………ルナ。それを言うなら護身用」
「そう、それ!ごじじしんようにだ!わかったか!」
「はははっ。ご自身用にだな……(なんだこの子は。わざとなのか?)」
「それよりロブさん、アリスは何処に居ますか?」
「あぁ、それならお前さんの屋敷に居るぞ。でも、今は行かないほうが…………」
「何かあったんですか?」
「まぁ、なんつうか…………ストレス?ってやつかな」
「ストレス?」
「行けばわかるさ!でも気を付けてな…………」
「は、はぁ…………」
ロブはそう言って仕事に戻っていった。アギトは、アリスの事が気になり急ぎ屋敷へと向かうのだった。そして、屋敷の前に来たのだが…………。
【ドガンッ】
屋敷の中でもの凄い音がした。アギトは、ステラとルナを外に待たせ、一人屋敷へと入って行く。
「おーい、アリス居るか?戻ったぞ!」
「!!!」
部屋の奥から、物凄い足音を立てて走ってくる少女が居た。
そして、馬鹿でかい声でアギトの名前を呼んだ。
「アギト!!!」
「お、おぅ。ただいま…………」
「おかえり!」
「なんか、物凄い音がしたが何かあったのか?」
「ん?別に何もないわよ!?」
「そ、そうか?ならいいんだが…………」
「それより、どうだった?新たに誰か誘えた?」
「まぁ、誘えたと言えば誘えたが…………」
「何よ!?何か怪しわね!」
「別に怪しくはないと思うが…………」
「まぁ、いいわ!んで、何処に居るの?私達の新たな同志は!」
「ちょっと呼んで来るから待っててくれ」
アギトは、屋敷の外へと戻りステラ達を連れてくる」
「えーっと、この子達が俺が保護した転生者のステラとルナだ」
「………初めましてステラと言います。これからお世話になります」
「ルナはルナ!よろしくー!」
「…………」
「アリス?」
「……………………なの?」
「はい?何て言ったんだアリス」
「アギト、このおねえちゃんなんていったの?ぜんぜんきこえない!」
「こ…………この大馬鹿者!!!」
「うわっ!」
「ちょ、アリス!」
「あんたは何をやって来たの?ロックフォールで、一緒に魔王を倒す仲間を見つけに行ったんじゃないの?なのに、何でこんなガキ共を連れてくるの!バカなんじゃないの?」
「あー!いま、ルナたちをバカにしたな!」
「うっさい!ガキは黙ってろ!」
「なんだとー!ルナはガキじゃない!そんなこというと、ゆるさないぞ!」
「上等じゃない!かかって来なさいよ!このチビ熊!」
「あー!おまえまでルナのことをくまっていったな!それはひげしかいっちゃダメなんだぞ!」
「そんなの知るか!何回でも行ってやる!チビ熊、チビ熊!」
「またいったな!もうおこったぞ!」
すると、奥から騒ぎを聞きつけて無数の足音が近づいてくる。
「何やってんだ、アリスさん?」
やって来たのは、ガイ達だった。数日前に村のクエストから帰ってきて、アギトの帰りを待っていたのだ。
「どうしたんですか、アリスさんそんな大声出して?」
「ちょっと聞いてよ、ガイ、メイ!アギトが帰って来たと思ったら、こんな子供を連れてきたのよ?」
「えっ?」
ガイ達はアギトの横に居るステラとルナを見た。
「あっ!熊だ」
「子供?」
「あー!おまえもルナのことをくまっていった!」
「だって熊じゃん!違うのか?」
「ちがう!ルナは……う…………うぅ…………うぅぅ…………うわぁぁぁぁん。アギト…………ステラ…………うわぁぁぁぁん」
「な、何よこのガキいきなり泣いちゃって。バッカみたい!」
アギトの足に抱き着き、遂にルナは泣き出してしまう。
「…………お前達許さない。ルナが嫌がることをして泣かした。ただじゃおかない覚悟しろ」
大事な妹が嫌な事をされて泣いてしまったルナを見て、ステラはキレてしまう。ステラは阿修羅を付けて戦闘態勢に入る。
「ちょ、ちょっと待てよ!何でそうなる!俺達が何をしたって言うんだよ?」
「………ルナが髭輔以外に熊って言われるのを嫌がっているのに、それをお前達は揃いもそろって何度も言った!絶対に許さない!」
「だってどこからどう見ても熊だろうに…………そんな帽子被ってるからだろ?」
「ちょっと、お兄ちゃん!これ以上煽るの止めなよ!」
「いや、別に煽ってねーし!熊だから熊って言っただけじゃん!それの何が悪い」
「………もう許さない」
ステラは、ガイに飛び掛かり殴りかかる。
「ま、まったぁ!」
「………黙れ」
慌ててガイは、背にしている盾を取り防御の体勢をとる。
「待てステラ、そこまでだ!」
が、ここでアギトがステラを静止させる。
「………アギト、なぜ止める。こいつらはルナを泣かした。許さない」
「まぁ、待てよステラ。大輔さんとの約束を忘れたのか?阿修羅は、大切な人を傷つけたり、守ったりする時に使うんだろ?別にガイはお前に危害を加えようとしたわけじゃないだろ」
「………くっ」
「ここは耐えるんだステラ」
「…………」
ステラは俯き悔しそうな顔をした。
「何だよ、まったく!バッカじゃねーの!いきなり攻撃してくるなんて!」
【ゴンッ】
「いてぇぇぇぇ」
「馬鹿はお兄ちゃんでしょ!いつまでこの子達を怒らせば気がすむの!」
「だってよぉ…………」
「うるさい!黙りなさい!また叩かれたいの?」
「ちぇ、わかったよ」
「ごめんね、うちのお兄ちゃんが…………。後でよく言っておくから許してね!お願い!」
「………わかった」
「ほら、アリスさんも謝って!」
「わ、悪かったわよ…………」
「はい、これで終わり!もう二度と、この子に熊さんって言っちゃダメだからね!わかった、二人とも!」
「へーい」
「わかったわよ!」
「ごめんね、お嬢ちゃん、よしよし」
メイはアギトの足にしがみつくルナの頭を撫でた。
「おまえはルナのことをくまさんってよばないのか?」
「呼ばないよ?だって、嫌なんでしょ?」
「うん。ルナのことをくまさんってよんでいいのは、ひげだけ…………」
「ひげ?」
「うん、ルナのこぶん!えーっと、ろ、ろ、ロックンロールにいる、か、か、かなんとかというしごとしてるおじさん」
「……ロックフォールで鍛治師をやってる髭のおじさん」
「なるほど!じゃぁルナちゃんは、そのおじさんの事が好きなんだね?」
「すきじゃない…………でも、いいやつ。アギトはすき」
「アギトさん…………モテますね。チャラいです」
「メイ!何でそうなる!」
「別に何でもないですよーだ!」
メイは、嫉妬心からかプイッとそっぽを向いてしまう。そんなアギトも苦笑いをして笑うしかなかった。
「それよりアギト、どうすんのよこの子達」
「あぁ、その事で一度ここに帰って来たんだ。俺の考えを聞いてもらいたくてな」
「そう。なら帰ってきたついでにこちらの話も聞いてもらえるかしら?こっちも色々あったのよ…………」
「わかった」
「じゃ、アギトさん!とりあえず、ご飯にしましょう!お腹減ってるでしょ?」
「そうだな。メイが作るご飯も久しぶりだな」
「おー、ごはん!おまえ、ごはんつくれるのか?」
「………ルナ、お前呼ばわりはダメ!この人はメイさんって言うみたい」
「えーっと、ステラちゃんだっけ?ありがとね!」
「………構わない。ルナはいつもこの調子だから私がしっかりしないといけないし」
「あー!ステラ、ルナのことをバカにしたな!ゆるさないぞ!」
「………あっそ。私とやり合うのルナ?」
「う……やらない。ステラつよいから」
「………なら、お姉ちゃんの言う事に口答えしないことね」
「…………うん、わかった」
ルナは、実際にステラの強さを目の当たりにしていたため、自分では勝てないと思い素直に言うことを聞いた。
(アギトさん、アギトさん!)
(何だメイ?)
(この子達いくつ何ですか?ステラちゃんがだいぶしっかりしているみたいですけど………)
(あぁ、この双子は8歳だ)
(双子!どおりで顔がそっくりなわけだ………っ8歳?ルナちゃんは納得できるけど、ステラちゃんは随分何と言うか落ち着いてますね)
(やはりメイもそう思うか?まぁ、元の世界からこんな感じみたいだしな)
(元の世界?って、まさか…………)
(それもこの後話す)
「ねー!ごはんたべようよ!ルナ、おなかすいてあたまとおしりがくっついちゃう!」
「おい!何だそれ!どー言う事だよ!」
「うるさい!だまれ、あくとう!」
「あ、悪党だと!この俺が…………このガイ様が悪党だと言うのか………?」
「なんだちがうのか?ルナのことをくまっていったから、あくとうだろ!」
「さっ、ルナちゃん!こんな悪党ほおっておいてご飯の準備手伝ってくれるかな?」
「おぉ!てつだうぞ!ルナ、おてつだいできる!ほうちょうもつかえる!」
「えぇ!ルナちゃんお料理できるの?すごーい!」
「できるぞ!ルナにできないことなんてない!」
「………ルナ、嘘は良くない。料理も戦いも出来ない。愛華ママに怒られたのもう忘れたの?」
【ギクッ】
ステラの鋭いツッコミにルナは体を硬直させた。
「あははは。じゃ、簡単なお手伝いしてくれるかな?」
「………うん。わかった」
「ははーん!何にもできな…………」
ガイがルナのことをバカにしようとした時、メイの持っていた杖の先から小さな炎が現れたの確認し、発言を途中で止めた。
「お兄ちゃん、何か言った?」
「…………何も」
「そう、ならいいんだけど。行きましょ、ルナちゃん」
「うん!」
メイとルナは、屋敷のキッチンへと向かっていった。そんな様子を見ていたアリスが
「ガイは馬鹿なの?何で、いつもいつも喧嘩売るのよ」
「アリスさんだって売ってたじゃねーかよ!人の子と言えねーだろ!」
「私は最初だけよ!あなたみたいにバカじゃないもの」
「………うっ」
「さっ、アギト私達も行きましょう!あの子達も直に帰ってくることだし」
「あぁ…………」
こうして、この後食事をしながら今後の事について話し合う事にしたアギト達であった。




