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勇者に転生したがスキル【調べる】しか使えず、全然強くないけど、頼れる仲間と魔王を倒します!  作者: 雨のち晴れ
拳王とシャドウ・ランサーの姉妹編

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ひげとチビっ熊の終焉?~笑顔の武器授与式~

【ルナの家出騒動から二日後】


時刻は午後3時過ぎ。アギト、ステラ、ルナは大輔の工房に居た。ルナは前回の騒動の事もあってか、今日は椅子に座り足をぶらつかせ静かにジュースを飲んでいる。


【ジュジュジュュュ】


「ふぅ、出来た。完成だ」


「おぉ!ついにできたか、ひげ!えらいぞ!よくやった!」


「うるせーぞ、チビっ熊」


「ルナをチビっくまっていうな!」


「俺を髭と言うな!」


「むむむっ」


「おっ!?何だ、今日はつっかかってこないのか?」


「フッ」


「あっ!てめー、今鼻で笑ったろ?許さねーぞ!」


「はぁ。これだからひげはこどもなんだよ。もっとおとおなになれよ」


「んだとこらー!殴られてーのか!」


「フンッ!ぶきをてにしたルナは、ひげになんかにはまけない」


「はぁ?何処に武器があるって言うんだ?お前の武器は、まだ俺が持ってるぞ?」


「はっ!」


「相変わらず馬鹿だな、ルナは!」


「ひきょうだぞ、ひげ!はやくルナにぶきをよこせ!」


「嫌なこった!どうせ斬りかかってくるんだろ?まぁ、お前ごとき返り討ちにしてやるけど!」


「いったなぁ!」


「お?やんのか?上等じゃねーか!かかって来いよ!」


「げっ!スケベがなんでここに!」


「はんっ!俺にはそんな手は通じねーぞ!わかったら、かかってこいよ!オラッ、どうした?」


【ゴンッ】


「いてぇー」


すると、大輔の後ろには本当に雫が居て、ルナに喧嘩を売っていたので後ろから大輔の頭をほうきで叩いた。


「何やってんのよ、お父さん!何で、子供に喧嘩売ってんの?」


「やーい!なぐられてやんの!」


「てめー、ルナ!覚えていろよ!」


「ルナちゃんも、あんまり調子にのらないの!」


「………はい」


「んで、2人の武器は完成したんでしょ?だったら早く渡してあげなよ!さっきからステラちゃんが無言で待ってるわよ」


「…………」


「お、おぅ。悪いなステラ、これがお前の武器だ」


大輔は、出来たばかりのガントレットをステラに渡す。ステラは、渡された武器を静かに見つめて手にはめる。


「………これが私の武器」


「あぁ。名前はそうだな…………。闘王の手甲・阿修羅(アスラ)ってのはどうだ?」


「………闘王の手甲・阿修羅(アスラ)。うん、気にいった」


「おぉ!そうか!そりゃよかった!それとな…………」


「………まだ何かあるの?」


「あぁ、実はこの武器にはギミックがあるんだ。言葉で説明するより、実際やってみたほうが早いな。よし、ついて来い」


大輔は、ステラ達を街の外へと連れ出しとある場所へとやってきた。そこは、周りに大きな石が無数に広がる場所だった。


「大輔さん、こんな所で何をやるんですか?」


アギトは、誰もが抱く疑問を大輔へと投げかけた。


「まぁ、見てろって!んじゃステラ、ちゃんと阿修羅を付けたな」


「…………うん」


「んじゃ、まずこのクソデカい岩を殴って見ろ」


「………わかった」


ステラは、岩の前に立ち腰を深く落とし正拳突きをした。


【ガンッ】


しかし、子供の力で殴ったのでは何も起きない。これがもし、Aランクの格闘家なら岩は壊れたかもしれない。


「まぁ、こんなもんだろうな」


「………何がしたいのかがいまいちわからない」


「そう慌てるなって。んじゃ、次は岩を殴った瞬間に手首を下に返してみろ」


「………うん」


ステラは再び正拳突きの構えをして岩を殴る。そして、直ぐに大輔の言う通り、右手の手首を下に返す。すると


【ドコ―ンッ】


「なっ!?マジかよ。岩を粉砕するなんて…………」


「おお!ステラパンチすごい!おっきないわがこなごなだぁ」


「どうだ凄いだろ!?」


「………す、すごい。さっきは傷一つつかなかったのに。どんな仕掛け?」


「それはな、その手甲には魔石が組み込まれていてな、手首を返したと同時に衝撃波が出るようになっているんだ!もちろん、数メートルなら衝撃波の勢いも劣ることなく、中距離からでも攻撃可能だ」


「………これなら、私でも戦える」


「ただ、何発も撃てるものじゃない。魔石にもよるが、撃てる回数は決まっている。強い魔物の魔石なら、何発も討てるが、弱い魔物だと極端に使用回数は減る。これだけは覚えておけ」


「………わかった」


「んじゃ、次はチビっ熊の武器だな!」


「いつもいつも、チビっくまってうるさいぞひげ!ちゃんと、ルナさまとよべ!」


「何でしれっと様付け何だ?」


「そんなのきまってる!ひげのがルナよりしただからだ!」


「うるせーぞコラッ!」


「さっ、はやくルナにもぶきをよこせひげ!」


「てめーな…………」


そう言って大輔はルナに武器を渡した。


「おぉ!これがルナのぶき!かっこいい!やるじゃねーか、ひげ!」


「そう言うなら、もうちょっと違う言い方があるんじゃねーか?」


「フッ。いちいちこまかいなひげは!そんなんじゃ、すぐにひげがのびるぞ!いいのか!?」


「んなわけあるかぁ!適当な事ばっかりいってねーでさっさと構えろ」


ルナは大輔言われた通り両手斧を構える。


「いいか、左手はなるべく下の方を持て!そして、右手はその横に付いているグリップを握れ」


「こう?」


「あぁ、それでいい!そしたら、アギト木刀を一本貸してもらえるか?後で弁償するから」


「あ、あぁ。別に構わないけど」


アギトは、異空間のアイテムボックスから木刀を取り出して大輔に渡す。


「よし!では始めるぞ!まず、お前ら子供だとどうしても力では大人に勝てない。そして、ルナの場合は斬ることすら出来ない。そこで、とある仕掛けを用意した。ルナ、その斧でこの木刀に攻撃を仕掛けてみろ」


「うん、わかった!ひげのくびをきればいいんだな?」


「ちょっとまてい!誰が俺の首を斬れといった!俺をころすきか?」


「ちがうのか?」


「違うに決まっているだろ!アホかてめーは!」


「ちぇっ」


「『ちぇっ』じゃねーよ、『ちぇっ』じゃ!全く何考えてんだこのチビは…………」


「ひげ!」


「何だ?」


「おもいっきりやっていいのか?」


「あぁ、もちろんだ!全力で来い!」


「わかった!けがしてもしらないぞ!」


「上等!出来るもんならやってみろ、チビっ熊!」


「いったなー!この!」


気を取り直してルナは大輔が言ったとおりに武器を構え


「えいっ!」


【カーッン】


当り前だが、もちろんルナの攻撃では木刀は折れない。せいぜい傷が少しついた程度だ。


「あれ!?おかしいな?いまので、ひげのくびとからだがまっぷたつになってたはずなのに…………」


「さらっと恐ろしいこと言うな!」


「むむむっ」


「よし、それじゃもう一回来い!そして次は、木刀に当てた状態で右手のグリップを下におろしてみろ!」


「わ、わかった!いっくぞー」


「来い」


「しねー!ひげ!」


「おいっ!掛け声おかしいだろ!」


【カーッン】


ルナの攻撃を大輔は木刀で受け止る。だが、ここで大輔は真剣な顔をして


「今だ、グリップを下げろルナ!」


「う、うん」


言われた通り、右手で握っているグリップを下げるルナ。


【ガキ―ッン】


【ギュィィィィィーン】


すると、斧の刃の両方が突如左右に飛び出て上下に振動する。それはまるでチェンソーのようだった。


【ガガガガガッ】


斧の刃が小刻みに上下して木刀を削っていく。


【ガリガリガリガリガリッ】


そして、


【バキ―ッン】


大輔の持っていた木刀は、ほんのわずかな時間で真っ二つになった。


「おぉぉぉ!」


「どうだ!すごいだろ!」


「うん!すごい!ひげ、てんさい!」


「おぉ、そうかそうか!よし、いいぞ!もっと俺を褒めろ!」


「わーい!これでルナもつよくなれた!」


「あー、そうそうルナ!その武器も魔石の力を使っている。だから、ステラの武器同様使用するには限りがある。理屈は、ステラと同じだ!覚えておけ!」


「おぅ!」


「それと、ステラ、ルナ、ちょっといいか?」


「………んっ?何?」


「なに?ルナにきられたいのか?ひげ!」


「違うわ、ボケ!いいか、確かに俺はお前達に武器を与えた。だがな、今から言う事だけは必ず守れ!」


「…………うん」


「うん」


大輔の顔が今までに見たことないくらい真剣になる。


「この先、むやみやたらにこの武器を使うな!それを使う時は、どうしても自分の身が危ないと感じた時と、大事な人が危機に陥ってる時だけだ!

ステラの阿修羅は当たり所が悪ければ、人なんて簡単に即死だ!

それとルナの武器も、人の骨や魔物の骨も軽く削れる。殺すことなど容易いことだ。だから、絶対にさっき言った時以外は使うな!いいな!わかったか!」


「………わかった」


「わかった」


「よし、ならこれはお前達の物だ!」


「よし!じゃ、さっそくひげのほねでためしてみよう!どれぐらいきれるのか!」


「馬鹿かてめーは!さっき俺が言ったこと全然理解してねーだろ!」


「そんなのわすれた!かくごしろ、ひげー!」


「うわぁぁぁぁ!止めろ、チビっ熊!こっちにくんな!」


「まてぇぇぇぇぇ!」


ルナは、斧をブンブン振り回し大輔を追いかける。大輔も負けじと全力でルナから逃げる。


「にげるな、ひげ!ひきょうだぞ!まてぇぇぇ!」


「卑怯もクソもあるか!こっちは死にたくねーんだよ!」


「あはははっ」


「………ルナが嬉しそう。最初は、髭輔の事を苦手意識があったのに、今ではアギトと同じぐらい大好きみたい」


「あぁ、そうだな。なんだかんだ言っても、ルナは大輔さんの事好きなんだな」


「………現実世界じゃ、お父さんは仕事が忙しくて私達の事なんて相手にしてくれなかった。でも髭輔は、そうじゃない。ちゃんと私達の事を見てくれている。私の事も、ルナのわがままも聞いてくれて。本当にいい人。感謝」


「まてぇぇぇぇ!」


「誰が待つかぁ!こっちくんじゃねー!ぎゃぁぁぁぁ」


こうして、無事ステラとルナは大輔から武器を託された。そして、いよいよ大輔達との別れの時が訪れる。

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