真っ黒
この話は深夜に苦しくて泣きながら書きました。/陽向りお
そうだ、僕は、僕は、、。
音楽が大好きで、小さなころからずっと音楽が好きで、ピアノも習いたかったけどそんなこと親に言い出せなくて、小学生の頃は毎休み時間、音楽室に行って音楽の先生と一緒にピアノを弾いていて、分からないなりに作曲もやってみてはなんか思っている感じにならなくて、でもそれさえも楽しくて有名なバンドの曲を何度も聞いては曲を作って、毎日の登下校の間もずっと鼻歌を口ずさんで、家に帰って来てからもずっと録画していた音楽番組を見返しては一緒に歌ってた。
でも、あの日。僕の人生が真っ黒になった日。
あの日は父の帰りがいつもより早かった。当時僕はまだ10歳だった。
その日は僕が好きなバンドが音楽番組に出ていて、それを見た後ワクワクしながら頭の中を流れるメロディを忘れないために1年生のときからずっと消しながら使っている自由帳をランドセルから取り出し歌詞とメロディの流れをできるだけ小さく鉛筆で書いた。
自信作で、だいたいのメロディは明日の朝になると忘れてしまうから、できるだけ忘れないよう脳内に刻むために寝る直前まで口ずさんでいた。
僕の母さんは学校の先生で、父さんがサラリーマン。
父さんの帰りはいつも遅くて、いつも12時を回るか回らないかの時間に帰ってきていた。だから早寝早起きが習慣になっていた当時の僕は父さんが仕事から帰ってくる姿を見ることが本当に無かった。
あれはいつ頃だったっけな。冬だった気がする。僕はそのメロディを口ずさみすぎて頭が冴えてしまったのか中々寝付けず布団の中で包まっていた。
すると父さんが珍しく10時あたりに帰ってきたんだ。父さんが僕が起きている間に帰ってきたのが初めてでとてもワクワクしたのを覚えてる。
父さんにおかえりって言ったら、喜んでくれるかな?それとも早く寝なさいって言われちゃうかな?なんてことを考え、好奇心だけで、自分の部屋を出てリビングに行こうと階段を降りようとした時だった。
ガッシャァァァァン!!!!!
「イヤアアアアアアア!!!!!!!」
何かが割れる音と共に母さんの泣き叫ぶ声が聞こえた。
階段から落ちそうなくらい、恐怖で足が震えた。今、リビングで、何が起こってる?僕が知らない内に、家族はどうなっているんだ?そんな疑問が手汗と共に湧き出た。
とにかくお母さんが泣いているのが心配で後先考えずにリビングに向かって震える足を無理矢理動かして飛び込んだ。
「…お、おかあさん、だいっ、だいじょう…ぶ……」
その瞬間飛び込んだ視界を疑った。
お母さんは大きな涙の粒を大量に頬に流しながら、その右の脛にはガラスの破片で傷ついたのか2,3本の血が流れていた。
そしてそのお母さんの長い髪の毛を雑につかんで腹に蹴りを入れようとする父さんの姿がそこにはあった。
もう僕はどうすればいいのか分からなくて、とにかくお母さんの足から血が出てるのが怖くて、死んじゃうんじゃないかと不安でお母さんのところに駆け寄った。
「おか、おかっおかあさん、血、血、でてるっ、はぁっはあっ、まってば、ばんバンソーコーもってくる、何枚いるかな、10枚くらいいる、かな、ねえママ、だいじょう、ぶだからね。僕、、あ、でも、このままじゃ、まま、またお父さんに、はあっ、蹴られっ、ちゃうかもっ、しれ、ない、ママうごける?いっしょにバンソーコー取りに行こう!うごけっ、ないならぼくおんぶ、する!はあっ、はあっ、。ね、まま、…なんで返事しないの…?ねえ!だいじょうぶっ、?ねえまま?おとうさん、ねえおとうさん、まま、ちでてるよ、あそうだっ!とうさんにバンソーコー持ってきてもら、おう!ね!ぱぱ!そこのひきだし、にバンソーコーあるから!ね?ね?…もう、なんでふたりとも返事しないの~!!あ、そうだ怪我したときはさきにお水で流さないといけないって保健室のせんせいがいってたんだった!じゃあさきに、おふろで足、洗いにいこ…う…、あ、そっか今うごく元気もないよね、まま、ね?ぱぱも、きいて?今日ね、すっごいいい歌つくれたんだよ!この曲聞いたら、ぜったいげんきに、なるよ~!じゃ、じゃあうたうね、それでふたりとも、もとにもどって、ね、ね!…ふううう、、すううう、、ぶ~らんこ~おそ~らに手がとどっき…」
「うるっせえなあ!!!黙れやクソが!!…はあもうだっる。はいもう死ね死ね。お前ら死ねもう。もう一生顔も見たくねえわ。こんな気色悪りい奴とそんな奴の子供なんかとおんなじ空気吸えねえわ、二度とこんなゴミ家に帰ってこねえ。…なあ律。お前はゴミの子だ。つまりお前もゴミ。野垂れ死んでしまえ。な!律!生まれてきたことちゃんと後悔するんだぞ~?ハハハハハ!!じゃ!」




