球技大会 3
「ねぇ、夏夜。さっきのあれで大丈夫なの?」
「あぁあれ?たいしたことないって。いつものことだから。翔は眼中にないみたいだし。」
帰りながら話している。明日から球技大会の練習を放課後1時間だけやらしてもらえるらしい。先生がバスケ部の顧問だから、毎年バスケに力を入れるらしい。
「ほら、澪なんで止まってるの?家、入んないの?」
夏夜が不思議そうに言う。澪は今日の富沢さんのこと考えながら歩いていた。いつの間にか八幡家の前についていたらしい。
「あ、ごめん。入るよ。」
澪と夏夜が家に入ると、家の中にはまだ、優子さんだけだった。
「あれ、今日、オフなのに佑夜はまだ帰ってないんだ。」
夏夜が聞くと、優子さんが
「なんか、遊びに行って、夕飯も食べて帰ってくるみたいよ」
と答えていた。夏夜と澪は二人とも荷物を置いて、夏夜は澪の部屋に来た。澪の部屋に来た夏夜は適当なところへ座った。少しの間沈黙していたが、澪が口を開いた。
「ねぇ、爽君の彼女さんってどんな人かな。」
ぼそっと澪がひとりごとのようにつぶやいた。
「え、待って、爽夜って彼女いるの?いやいや、うそでしょ。ずっとバスケ一本なのに?休みの日もバスケしてるようなバスケバカなのに?」
「だって、もうあれから三年も経ってるんだよ?あの時でさえ、うちが知らなかっただけで、たくさんの女子と一緒にいたんだよ。彼女ぐらいいるんじゃないの?」
「ねぇ、澪。澪は爽夜の事、まだ好きってことでいいのかな。なんかさ、爽夜に彼女がいないよって言ってほしいみたいに聞こえるからさ。」
「うーん。どうなんだろうね。自分でもわかんないんだもん。爽君があんなことをしたのは最低だと思うし、うちはそれを許せない。だから一時期はほんとに爽君のこと大嫌いだったし、もう一生会いたくないと思ってた。だけど、実際に会ったら、会いたかったんだって感じた。だから、よくわかんないんだ。」
「そっか…」
ガチャ玄関の方で鍵が開く音がした。
「「ただいま~」」
「おかえりなさい。」
亜夜と爽夜が一緒に帰って来たらしい。
「夏夜、爽君と亜夜も帰ってきたし、もう夕飯だから、この話はおしまいね。下行こっ?」
「そうだね…」
納得がいかない夏夜と一緒に夕飯を食べに行き、戻ってきたら、澪は学校初日の疲れですぐに寝てしまった。




