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私は守護霊になりたい  作者: 尾瀬ヶ原薄
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第2話 Deadman with Wildboar ~other side Girls~

ぶつ切りですがちびちび追加していきます

「はぁっ…はぁっ…」

バダンッ!

「すみません!!!私たちさっき鉱山地帯でオークの群れに襲われてしまいました!」

「それで男の人がボクたちを投げ飛ばして1人で戦ってるんです!誰か助けに来てください!」

大酒場にドアを粉砕する勢いで乗り込んできた2人の少女の声に喧騒としていた酒場が静まり返った

「落ち着きたまえキミたち、鉱山地帯とはここから一番近いリチャード銀山かね?」

「はい!」

「なるほど、ソレでどの部族かはわかるかね…?」

「いいえ…そこまでは…」

「ただボスかな…?ソイツの牙と筋肉は別格でした…!」

「なに…!?ここいらでそんな屈強な奴は猪王ベルゼントスぐらいしか聞いたことがない……ヤツは元々国王軍が討伐する予定の魔王の一角なんだ。」

「よかった…!「じゃあ!」でしたら!」

「………すまない…討伐予定は二週間後、今はまだ物資も歴戦の英雄も情報も何もかもが足りないんだ…ッ!本当に申し訳ないがその彼を助けに行くことは出来ない…」

「嘘…でしょ…」

「私たちのような会って間もない小娘2人を身を呈して救った人を見殺しにするというのですか…!?」

「なんとでも罵ってくれ、今この場に奴らに勝てる者はいない。つまりは救助を今命令するということはわざわざ彼らに死にに行けと言っているようなものなんだ…!酒に酔ってようがそんな無責任なことは言えん」

ギルドマスターの剣幕にたじろぐ少女、しかし彼女たちにも恩義と意地がある。

「…わかりました、しかし私たちは恩人を見捨てる真似はしませんので」

「偵察に使える魔法を持ってる人いますか!いたらボクたちに教えてください!」

「……間に合うとでも?しかしよしんば間に合ったとしてもわざわざ君たちを殺すような真似

「恩人をぶち殺してしまうようなこと!死んでいると同義でしてよ!!!」

「そうだよ!…っです!それにボクと彼女は必ず間に合わせてみせます!」

「しかしだなぁ…」

しばし喧騒とする大酒場、が数分後、1人の竜族の女性が名乗り出る。

「そこまで言えるなら仕方ないわね…サテライトアイぐらいなら教えてあげられるわ」

1人

「じゃ、じゃあ俺だってインビジブルを!」

また1人

「このババアのサイレントでいいかの?」

1人

「御意、先刻購入したスメルキャンセラーで宜しいならば譲渡しよう」


「み…みなさま…っ!!!」

「うっ…ありがとうっ!」

「では魔法の方はこの紙に術式を書いてくださいませ!」

「魔道具の人はそのまま借りさせてもらいます!ユリアっ!アレ、行くよ!!!」

「えぇリリィさん!」

「「はぁぁぁぁぁ!!!」」


咆哮する少女、その時不思議な光が起こった。

舞い上がる文字、展開される術式、それら全てが彼女らの頭頂部に二重螺旋を描きねじ込まれる。これぞ彼女たちを特別たらしめる複合魔法『オメガダウンロード』である。


「ふうっ…出来上がり!」

「行きましてよリリィさん!コレであの方を助けられますわ!」

「待て」

先程まで口を噤んでいたギルドマスターが呼び止める。

「様子を見るだけならともかく助けに行くというのは近づきすぎだ、自殺行為としか言いようがない。だから行かせられないよ。」

「止めないでくださ「私がいなければ」

「!?」

「仕方ないから私も行くさ。なに、これでもギルドマスターだからね。時間稼ぎ程度なら死にはしないだろう。」

「いいのですか…?」

「そりゃあ私だって助けたいからね、さぁボサっとしてないで出発するとしよう。」

「…うんっ!」





■■■■■死亡地点


「でぇいやぁ!!!」

ベルゼントスの脚が大地を砕く、直後男に筋肉の弾丸が炸裂する。

「ぬぉあぁぁあ!!!」

辛うじて男は牙を受け止める。が、その丸太のような首により空高く投げ飛ばされ、当然追撃が来る。

「馬鹿め!!!」

男の両腕が再び腐った虫のように蠢き命を刈り取ろうとする。

「空中で無防備なのはお互い様よ!貴様の苦し紛れの反撃なぞ!!!」

「弾くか!小癪な豚が!!!ならば掴むまで!!!」

男が逆にベルゼントスを投げ飛ばすも何処吹く風

「いいぞ名も知らぬバケモノ!!!もっと我に戦いを!生存競争を!誇りを感じさせてくれ!!!それら全てを喰らい尽くしてやろう!!!」

「ちぃい!」


ベルゼントスが優勢ではあるが互いに有効打を与えられない状況が続く


「一族を殺そうとしてはいるがそれでも貴様には礼儀を払いたくなった!来いっ!」

「フゴォッゴゴオゴコッゴゴ!!!」

「下等なホムンクルス如きに何が出来る!!!」

「ハハハハ!!!見せてやろう!!!コレが我が真骨頂よ!()()()()()力の奔流!我が血肉となれり!!」

ホムンクルスを咀嚼したベルゼントスが魔力の炎に包まれる

「そんな隙を晒して無事で済むとでも!?」

男は当然首を喰いちぎろうとするが炎に吹き飛ばされる

「がァあぁあ!!!糞が!!!」

「我がボアグラトニーを妨害出来ると思い上がるか!!大人しく見ているがいい!!!」

炎の勢いが最高潮に達した時、炎光を切り裂き()()が降誕する

「貴様のような強者は全力を持って上回りたい!さァ来るがよいッ!!!」

筋肉の鎧は二回り巨大に、牙は天を穿ち、蹄は大地を砕き、その眼は海をも滾らせるッ!!!捕食行為により肉体を鋼鉄魔神の如く変貌させる固有魔法!!!それこそが猪王ベルゼントスが奥義『ボアグラトニー』であるッ!!!

「我が魂、超えてみせよ!」

「超える?そんな必要は無いな!!理想の園の礎となれ!」

再び男と魔王が激突するッ!醜悪な鎌と肉の山脈が火花を散らすッ!!!これぞ漢の死に場所ッ!!!互いの誇りと夢が譲れぬ時!美醜の基準は無意味である!!!そこにあるのは勝者か敗者か!!それのみがルール!!!

「どうしたどうした!!貴様の怒りはそんなものか!!!我が種族の繁殖なぞ知ったことかと言ったな!!!ならばその我欲を今!ここで!燃やし尽くすがよいッ!!!!」

「当然ッ!!!!恩義ある美しき園を守り抜くことッ!それだけに蘇った俺が!!!やらねば!!!誰がやるッ!!!!!!!」

「足りんなァ!!!」

メキャア!!!

「ッああああああああぁぁぁ!!!」

ベゴォア!!!

「ッグゥゥゥウ!!!」

無情!!!叶わぬならばッ!死ぬしかないッ!それが闘争!!!それが喧嘩!!!それがイノチッ!!!!男の骨はッ!!!!猪王の拳で砕け散るッ!!!!


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