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「もう勝手にしろ」
小川と視線を合わせることなく、自分の鞄を手に取ると部屋の外へと出て行った。悲しそうに高野が出て行った後を見つめる由莉に一緒に探そうと誘ったのは小川だ。
「二人で探した方が早いでしょ? 」
会議は途中放棄という形になるが、資料がなければ何も始まらない。それにSDTの主任である高野がいなければ会議は進まないのだ。
あらゆる部屋を二人で探し回り、最後にデスク周りを探している時、
「水木ちゃん、見つかったよ! 」
小川が見つけた資料をペラペラと振って、由莉に見せた。
「小川さん……ありがとうございます。命の恩人です」
「大袈裟な」
首を小さく横に振る。
「いえいえ、高野さんなんて探すのを手伝ってもくれないんですから」
由莉のむくれた顔から高野に対しての不満が見て取れる。視線を合わせるため、近くのベンチに腰掛けた由莉の隣に小川も間を詰めて座った。
「高野は高野なりに考えがあるんだろうし。水木ちゃんに厳しく指導しているのも全て水木ちゃんの為を思っているってこと、わかってくれるかな? 」
「主人は無理を言うものと知れっていうことですか? 」
「武将好きだね〜。まあ、そういうことのような……。これから先、高野から無茶振りだと思えるようなことを指示されるかもしれない。それでも、必ず水木ちゃんの力になるから挫けないでほしいってことかな」




