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「どうして悩んでると思うんだ? 」
「それは……」
「悩んではない」
「予算がありますし、捜査しなければいけないことは山ほどあります。私が手間取ってしまって時間をかけすぎてしまったから、小川さんも加わることで早期解決を図るつもりなのでは? 」
部下にフォローされるなど高野にとっては少々傷つくものだったが、人の気持ちに若干鈍感な由莉がそんなことに気づくことはない。
「小川さんにも小川さんの考えがうっ」
話しながらミルクティーを飲もうとしたせいか、飲み口からこぼれ落ちてしまった。急いでジャージの袖口で口を拭う由莉に呆れた顔をしつつも
「わかってる。ほら、これで拭け」
自分のハンカチを差し出した。
「すみません」
急いでジャージの上からハンカチを押し当てるが、余計に染み込んでしまう。
「洗った方が良さそうだな」
「そうですね。部屋に戻ります」
汚してしまったことで高野から見てもあからさまにテンションが下がっている由莉。
「水木のおかげで、少しは悩みが軽くなった」
俯いたまま歩く由莉の背中に声をかけたが、由莉は振り返ることもなく女子寮へと歩みを進めた。




