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「これ以上後をつけるのは危険だ。戻ろう」
「あれ?ちょっと待ってください。小川さんがあそこにいます!」
由莉が指さした先にはSDTの制服を着た小川が歩いている。車の窓を全開にすると由莉が大声で小川を呼び、高野は小川のそばで車を止めた。
「ああ、二人とも。どうしたの? 」
「木田さんを尾行してたんですけど、一旦SDT本部に戻る予定です」
由莉が状況説明をしながら車を降りると、高野も後を追う。小川はそれぞれに視線を送ると
「俺も捜査でこっち来てたんだけど埒あかなくなっちゃって。ついでだから乗せてくれない? 」
両手を合わせ、お願いしますと頭を下げた。
「もちろんです! 」
後部座席に小川を案内する由莉に
「お前が言うな。運転するのは俺だろうが」
もっともな指摘をした高野だったが、
「怒りは敵と思え、ですよ」
由莉が小さく舌を出して助手席に乗ってしまったので、急いで運転席に戻った。
「何だそれは?また武士か? 」
「怒るってことは自分の身を滅ぼすことに繋がるって言葉だよね」
小川による解説に
「俺の身が滅びるって言うのか」
シートベルトを締める手を止めて由莉に睨みつける。
「違います。怒らないで下さいってことですよ! 」
終わらない二人のやりとりを見ながら小川は手を口に近づけ、小さく笑った。




