第6話 野口英世記念館と猪苗代湖
東北の天気予報の図を見ると福島県に水色の点があることに気がつく。
朝起きてご飯代わりのオレンジジュースを飲み、仕事に行く準備をしている時に見る天気予報。
そこに確かに点があるのだが気にしたことはなかった。
湖であることは間違いなく、日本で一番大きな湖は琵琶湖である。
それだけ覚えておけば十分だとずっと思っていた。
その福島県の湖を目の前に見た時の感動は素晴らしかった。
確かに琵琶湖に比べれば小さい。
しかしそれでもとても大きいのである。
晴れていたらさぞかし人が大勢いたのだろう。
あいにく天気は雨で人はまばらにしかいない。
湖沿いにはお店が並んでおりここが普段は人で賑わっているのがわかる。
晴れた日に来たかったと思ったが後の祭りである。
旅行に行こうと思ったのが土曜日の1時だったのだから仕方ない、天気予報などもちろん見ていない。
湖近くの定食屋に入る。
雰囲気からして個人経営と思われる。
男性が好きそうないい具合にボロそうな建物である。
昼よりも夜が本番なのだろうと勝手に想像してしまう。
店に入る、思った通りの汚さだ。
小綺麗なファミレスや喫茶店よりもこういうお店の方が落ち着いてしまう。
飾らずにありのままの自分で居られる場所といった趣がある。
テーブルに案内されると中年の女性がせっせとテーブルを拭いて用意してくれた。
拭いたばかりのテーブルはテカテカして手をついた掌が濡れていた。
どうせなら名物が食べたいと思いメニュー表を見る。
福島県の名物ってなんだろう。。。
この時正直何も思い浮かばなかった。
何かあるだろうとメニュー表を見ると喜多方ラーメンと馬肉の横に名物!と手書きで書かれている。
喜多方ラーメン、麺とチャーシューが特徴的な醤油ラーメン。
ラーメンオタクでもないのでそれくらいの感想しかない。
馬肉というのはたまに居酒屋で出しているところを見かける。
数切れしかないのに良いお値段がするのである。
せっかくの旅行だし!
と思い喜多方ラーメンと馬肉を注文した。
食レポできるほどの才能はないので結果だけを書くと、食べれる味ではあった。
どちらも想像を超える味ではなかった。
喜多方ラーメンはあっさり目のしょうゆ味でするすると食べることができたし、馬肉は東京で食べるのとそん色なかった。
冷凍技術の高さなのか、そもそも出された馬肉もどれくらい新鮮なのかは不明である。
とりあえず旅行なので名物を食べるというミッションは完了し腹も満たされたので満足して定食屋を後にした。
本当においしいものが食べたいのであればきちんと時間をかけて事前調査をしておかないといけないのである。
道にある観光案内の看板を見てみると近くに野口英世記念館なるものがあると書かれていた。
野口英世の生家を記念館として保存しているらしい。
野口英世が福島県出身であるということをこの時始めて知ったのである。
その建物は猪苗代湖のすぐ近くにあったので歩いていくことができた。
雨も幸い小雨だったので傘を買わずにすんだ。
記念館ではありきたりではあるが野口英世の業績などを展示していた。
外国に行くのが難しかった時代にアフリカで研究をしていたということは学校で習ったが改めて展示品と各々の業績の紹介文を読んで感銘を受けた。
猪苗代湖で観光を楽しんでいると時刻は15時になっていた。
今日の宿は草津温泉である。
距離は確認していないが東京に帰るよりかは近いだろうくらいの感覚だった。
東京を脱出してから福島に辿り着いた時間を考えるともう出発しないと間に合わない気がする。
もっと観光を楽しみたかったが後ろ髪を引かれる思いで車に乗り込んだ。
ナビに草津温泉の旅館の住所を入力する。
すぐに所要時間と距離が表示された。
到着予定時間20時。
我が眼を疑った、たしか宿の食事は18時から19時だったはず。
チェックインも18時にしていた気がする。
嫌な予感がして宿に電話をする。
「食事は遅くとも20時には片づけてしまいます。それまでにお越しに慣れない場合は食事の提供はできません。」
とか
「今どちらにいるのでしょうか?福島県!?間に合いますか??」
とか言われた。
電話越しに謝って私は草津温泉に向けて車を走らせた。
最後まで読んでいただきありがとうございます。




