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鋼と鼓動 ~機械の体で目覚めた俺が、七つの封印に失くした自分を探す物語~  作者: TAKA


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第61話 「嵐の巡礼路」



果たして、中腹に差しかかる頃には、横殴りの突風が絶え間なく吹きつけ、視界は白い霧にほとんど閉ざされた。その白の奥で、ノアの鼻が、ふと生臭い獣の気配を捉える。「上から来る――三、いや、四!」。窓の警告とほぼ同時に、霧を裂いて、鋭い嘴の魔鳥たちが四人へと襲いかかった。町を襲った、あの鷲に似た獣の群れだ。風に乗る彼らにとって、この嵐は庭も同然だった。


崖際の細い道の上、逃げ場のない戦いが始まった。フィーナが石畳に足を踏ん張り、すれ違いざまの爪を剣で弾き返す。ヴェルナの槍が一羽を貫き、ノアの光の刃が、霧の中から現れる影を次々と斬り落としていった。視界の利かぬ戦いで頼りになるのは、ノアの研ぎ澄まされた鼻だけだった。「次は右、崖の下から来る!」。窓の警告が、幾度も仲間の命を救う。


群れを追い払ったあと、ヴェルナが翼を広げ、偵察に飛び立とうとした。だが、体が浮き上がった途端、横殴りの突風が彼女を木の葉のように叩き、崖の岩肌へと押し戻す。ノアが腕の力で、辛うじてその体を受け止めた。「……駄目だ。この嵐では、翼はかえって仇になる」。ヴェルナが悔しげに翼をたたむ。頂への道は、一歩ずつ、自らの足で登るしかなかった。

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