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鋼と鼓動 ~機械の体で目覚めた俺が、七つの封印に失くした自分を探す物語~  作者: TAKA


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第39話 「白波の死闘」

翌朝、二年ぶりに桟橋を離れたガレオの船は、迷いのない舵さばきで沖へと進んだ。やがて海面が不気味に盛り上がり、青黒い海蛇が、船底を狙って真下から突き上げてくる。「掴まれ!」。ガレオの怒号と同時に、船は紙一重で、その突進をかわした。


海蛇が船縁に鎌首を伸ばし、大きく口を開けて、ガレオごと操舵室を噛み砕こうとした。フィーナの剣も、ノアの魔法も、間に合わない。その刹那――ノアの両腕に、これまでにない、燃えるような力が漲った。地を蹴って割り込み、迫り来る海蛇の上下の顎を、両手で正面から、がっちりと受け止める。鋼にも勝る力が、巨大な顎の力に、真っ向から拮抗した。窓に文字が灯る。「封印より還りし力――『腕』の権能、解放」。


「ノア、すごい……! フィーナ、今よ!」。テオの声に、フィーナが帆柱を蹴って跳び上がり、無防備に晒された海蛇の眉間へ、渾身の刃を突き立てる。硬い鱗が、ついに深く裂けた。ノアが顎を押さえ込み、フィーナが斬り、テオが支える。三人と老船長の力が、一つに噛み合った瞬間だった。

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