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鋼と鼓動 ~機械の体で目覚めた俺が、七つの封印に失くした自分を探す物語~  作者: TAKA


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第36話 「港を裂く牙」

ガレオの説得をどうするか、思案する間もなかった。突如、港の方から悲鳴が上がる。三人が駆けつけると、海面から、ぬめる青黒い鱗の巨体が、ぬっと鎌首をもたげていた。漁から戻ったばかりの船が、その巨大な顎に、真っ二つに噛み砕かれる。海蛇だ。


「逃げ遅れた人がいる!」。フィーナが桟橋を駆け、海蛇の顎に剣を叩き込む。だが硬い鱗に、刃は浅くしか食い込まない。ノアは脚の力で一気に間合いを詰め、光の刃で海蛇の眼を狙った。怯んだ隙に、テオが逃げ惑う漁師たちを結界で囲って守る。


それでも、一人の漁師が、薙ぎ払われた尾に弾き飛ばされた。桟橋の杭に背を強く打ちつけ、口から血を吐いて倒れ込む。肋骨が数本、嫌な音を立てて折れていた。ノアがすかさず駆け寄り、治癒の光を当てる。深手を負った海蛇は、これ以上は分が悪いと見たか、海中へと姿を消した。だがノアには分かっていた。これは、ほんの偵察に過ぎないと。

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