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第26話 「炎の精霊、イフリート」
イフリートが咆哮を上げると、その衝撃だけで空洞の岩が震えた。巨人が腕を一振りすると、無数の火球が雨のように三人へ降り注ぐ。フィーナは横っ飛びに、テオは結界を盾に、ノアもとっさに身をかわした。
反撃に、ノアは指先から渾身の火球を放った。だが、その炎の塊はイフリートの胸へ吸い込まれるように消え、あろうことか、巨人の体がひと回り大きく燃え上がった。「効いていない……どころか!」。テオが愕然と叫ぶ。「まずい、相手は炎そのものだ! 火の魔法は、こいつの糧にしかならない!」。
それを聞いたイフリートが、嘲笑うように口を開き、灼熱の奔流を吐き出した。フィーナが間一髪で岩陰へ転がり込むも、噴き上がった熱波が頬を焼く。手数の要となる火球が封じられ、しかも近づけば焼かれる。三人は、開始早々、絶望的な状況へと追い込まれていった。




