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第20話 「炎をかき消す光」
ノアの掌から放たれた光弾が、衛兵に覆いかぶさろうとしていた炎の魔物を、横合いから撃ち抜いた。火だるまの魔体が砕け、火の粉となって散る。すかさずノアは倒れた衛兵に手をかざし、「治癒」の文字を刻んだ。緑の光が傷口を包むが、焼けた肉の傷は深く、塞ぐのには時間がかかる。声にならぬ思いが、光をいっそう強く滲ませた。死なせるものか、と。
その間にもフィーナは、群れの中を舞うように剣を振るっていた。一匹、また一匹と斬り伏せ、町の通りに退路を切り開いていく。テオの結界が次々と住民を守り、避難の流れが生まれていった。
やがて魔物の勢いが衰え、最後の一匹が灰と化したとき、三人は肩で息をしていた。助けられた衛兵が、かすれた声で問う。「あんたたち……いったい何者だ」。ノアは答える代わりに、町の中心にそびえる火山を見上げた。あの地の底に、次の封印が眠っている。




