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第16話 「地図帳の少年」
フードの下から現れたのは、まだ少年と呼べる年頃の顔だった。神経質そうな細い目に、丸い眼鏡。膝の上の地図帳を抱え直し、彼は早口で切り出した。「あなたが、ベヒモスの封印を解いた人ですね。テオといいます。封印の研究をしている者です」。
フィーナが警戒も解かずに腕を組む。「研究者が、私たちに何の用?」。テオは眼鏡を押し上げ、地図帳を開いてみせた。古い羊皮紙には、世界に点在する七つの封印の位置と、それぞれに対応する守護者の名が、几帳面な字で書き込まれている。「この七つの封印は、ただのダンジョンじゃない。大昔に、ひとつの『罪』を封じるために作られたもの――そう伝わっています」。
ノアの窓が、その言葉に小さく震えた。罪。自分が機械の体になった理由と、どこかで繋がっている気がした。テオはまっすぐにノアを見上げた。「あなたについて行かせてください。僕には、どうしても確かめたいことがあるんです」。




