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第14話 「取り戻したもの」
崩れた巨獣の中心から、淡い光の珠が浮かび上がり、ノアの胸元へと吸い込まれていった。視界の窓に文字が灯る。「第一の封印、解除。パーツ『腕』を取り戻した」。
その瞬間、ノアの両腕を覆っていた鋼が、内側から作り変えられていく。冷たい金属の感触が、ゆっくりと、人の肌の温もりへと変わっていった。指を握り、開く。そこには確かに、血の通った腕があった。空っぽだったはずの体に、初めて戻ってきた自分の一部。だが同時に、鋼の頃には無縁だった鈍い疼きが、新しい腕の奥にそっと芽生えていた。人の体は、痛みも一緒に連れてくるのだ。
フィーナがそっと、その腕に触れた。「……あったかい。よかったね、ノア」。ノアは自分の手のひらをじっと見つめ、窓に短く綴った。「これが、僕の腕」。
記憶はまだ戻らない。けれど、失った自分への道のりが、確かに一歩、縮まった気がした。




