3.なぜかいい服着せてもらう
重そうな鉄の扉が開かれると、外から目一杯の光が差し込んだ。
空気が変わり、甘い微香が漂っていた。
少し古い西洋の文化を思わせる所で、長い通路に幾つもの部屋が並んでいた。
テレビで見たパリの一流ホテルに似ている気がした。
「一体ここは何処なんです?」
「国王の城の中だ」
「日本じゃないのか?」
「そうじゃない。いいか? 今、言えることはその薄汚い服を着替えろと言うことだ。走って城の中を汚されたら敵わないからな」
そう言って兵士は背後の扉を開けた。
小さなホテルの一室のような部屋だった。洋服が掛かったクローゼットもある。
目を引いたのはテーブルの上に置かれた食事とガラス瓶に入った水だった。
ここで何をすればいい? と、質問しようと振り向いたがもう兵士の姿はなかった。
なんて冷たい対応だ。
俺は歓迎されてるか分からなくなる。
一時は誘拐かと思ったが、そうではないみたいだ。日本ではなさそうだが、言葉は通じる……一体ここは何処なんだ?
言われた通り、俺はクローゼットにある服に着替えることにした。何着かあって、色も形も違っていて何を着ればいいのか分からなかったが、ここは直感でなじみ深いブレザーのような服にした。色は暗い青に近かった。
俺は視線をテーブルの上に移した。
ちょうど喉が渇いていたところだ。
椅子に座って、コップにに水を注いで、一口飲んだ。
普通の冷たい水だ。
次に目の前にある皿に乗った、これは……パンだ。
手に持ってみると干からびているかのように硬くざらついている。
小さく折って、一口食べてみた。
……これは微妙だな。硬いし、味気ない。
腹が減ってないせいもあるかもしれない。
一気に口の水分が奪われた。俺はコップの水をもう一度飲んで口の中を潤した。




