23話:帰って来たらミリアが着替え中だった
朝の冒険依頼に出てから数時間後。
「よし。今日も無事に依頼が終わったぞ。それじゃあさっさと帰るとするかな」
俺はそう言いながら冒険者ギルドから出ていき、そのまま自宅の貸部屋に戻っていった。
そして自宅の貸部屋の前に戻ってきたので、俺はドアノブを回して中に入っていこうとした。すると……。
―― ガチャッ
「お疲れっす。帰ったぞ」
「えっ? って、きゃっ!」
「え? あ、すまん」
―― バタンッ
ドアノブを回して中に入ろうとしたら、貸部屋の中ではミリアが着替えてる途中だった。
俺はすぐにドアを閉めて外で待機した。ちょっとだけミリアの上半身の裸が見えてしまったので後で謝ろう。
(そういえばミリアの腹の怪我はちゃんと治ってたな)
ミリアと出会った時に脇腹を怪我してたんだけど、さっきチラっとミリアの裸を見た時はその怪我跡は無くなっていた。
ミリアは女だから脇腹の傷跡が残らなくて本当に良かった。
『あ、ジ、ジークさんー……もう中に入っても大丈夫ですー」
「ん? おう。わかった。それじゃあ……」
―― ガチャッ
「お疲れさん。ミリア」
「は、はい。お帰りなさい。ジークさん……」
ミリアから中に入って良いと言われたので、早速部屋のドアノブを回して中に入った。
するとミリアは当たり前だけどちゃんと服を着ていた。だけどちょっとだけ顔を赤くしていた。なので俺はすぐに謝る事にした。
「着替え中にすまん。急に入って。ちゃんとノックするべきだったよな」
「い、いえ。着替え中に入って来たのは不可抗力ですし、気になさらずに……というかそもそもここはジークさんのお家なのですからジークさんが外に出してしまった私の方が悪いと言いますか……」
「いやいや。普通に俺の方が悪いだろ。でもあれだよな。この部屋って一人用だし、二人で住んでるのは結構狭いよな。あ、そうだ。それじゃあミリアさ……」
「は、はい? なんでしょうか?」
「一つ提案があるんだけどさ、これからも俺と一緒に住むんだったらもう少し大き目の部屋を借りるか?」
「え? 大き目の部屋ですか?」
俺はミリアにそんな提案をしてみた。するとミリアはちょっとだけビックリとした表情を浮かべてきた。
「そうそう。スラップラード通りって王都の中でも全然人気がない地区だから、ここら辺の貸部屋の賃料ってそんな高くねぇんだ。だからこれを機に二人用の部屋とか借りるか?」
「え? 二人用の貸部屋なんてあるんですか?」
「おう、普通にあるぞ。単身者向け~家族向けの貸部屋があるからな。それでどうだ? 良かったら違う所に引っ越すか? そしたらミリアの個人部屋も手に入るぞ」
「私個人の部屋ですか……え、えっと、そうですね……で、でもそうなるとジークさんと部屋が離れ離れになってしまうというか……今みたいに一緒の部屋で寝泊まりするって感じではなくなっちゃいますよね?」
「そりゃあまぁそうなるな。今住んでる貸部屋はリビングとキッチンと洗面所しかないから必然的に二人でリビングで寝てるけど、でもどうせならミリアだって個人部屋でゆっくりと寝たいんじゃねぇのか? 俺は全然気にしないけど、でも女のミリアにとっては男の俺と一緒の部屋で寝るのって若干不安とかあるだろ?」
「ふ、不安ですか? い、いえ、そんな事は全然ないですよ。むしろジークさんとこの部屋でずっと一緒に過ごしているのが何だかとても楽しかったといいますか……だから今から一人部屋で過ごすのはちょっと寂しいと言いますか……」
「ふぅん? 何だかよくわからないけど、まぁでもミリアがこの貸部屋のままでも良いって言うんならこのままでも良いけど?」
「えっ? 良いんですか?」
「あぁ。だってここ立地的に最強だし。冒険者ギルドまで徒歩数分で到着するし。でもこれからもこの貸部屋のままだと今日みたいにミリアの着替えを覗いちまう恐れがあるんだけど、それは良いのか?」
「は、はい! そういう事でしたら全然大丈夫ですよ! 私もこの貸部屋が好きなので……ですからこれからもここで住みたいです!」
「そうか? まぁわかった。ミリアがそこまで言うならこれからもこの貸部屋で暮らす事にするか」
「はい! ありがとうございます!」
という事でミリアにもっと大きな貸部屋を借りようかと提案したんだけど、それは却下される事になった。
まぁ個人的には立地は凄く良いからこのままで良いのは嬉しい限りだ。それに家賃も安いしな。
だけど今日みたいにわざとではないけどミリアの裸を覗いてしまう可能性もあるので、これからはしっかりと注意していく事にしよう。




