16話:ミリアと出会って数日が経過した
ミリアと出会って数日が経過した。とある日の午後。
「オッサン。依頼品の薬草束だ。品質的に大丈夫か確認してくれ」
「おぉ、こんなにも沢山の薬草を採取してくれたのか。これは凄く助かる。薬草の品質は全部大丈夫だ。今回の報酬はオマケして銀貨30枚にしとくよ。受け取ってくれ」
「おう。確かに受け取ったぞ。また困ったらいつでも依頼を寄越してくれよ。それじゃあまたな。オッサン」
「あぁ、ありがとうジーク。それじゃあまたな」
そう言って俺は依頼人である町の薬師のオッサンと別れた。本当なら銀貨20枚の所、オマケして10枚も多く貰ってしまった。これは嬉しいボーナスだな。
「よし。せっかくオマケして貰ったわけだし、たまには何か買い食いでもしてから帰るとするかな……って、うん?」
「ヨイショ、ヨイショ……」
そう呟きながら街の中を歩いていると、大きな荷物を手に持っているミリアを見つけた。どうやら買い物中だったようだ。
「おう。ミリア」
「ヨイショ、ヨイショ……って、え? あ、ジークさん。お疲れ様です」
「おう。お疲れ。買い物中か?」
「そうです。食材とかお皿とかコップとか色々と買ってきました」
「なるほど。それは必要な物だな。今日の買い物はそれで全部なのか?」
「はい。買いたい物は全部済んだので今から帰る所でした」
「そうか。それじゃあ俺も帰る所だったから一緒に帰ろう。荷物も俺が半分持ってやるよ」
「あ、はい、ありがとうございます。それじゃあこっちの袋を持っていただけますか?」
「おう。わかった」
という事でミリアの持ってた荷物を半分持ち、そのまま一緒に街中を歩いて帰路に付いた。
そしてその帰宅途中、俺はミリアの様子を何となく観察していった。
今のミリアの姿は一番最初に出会った頃のザ・貴族といった感じの煌びやかなドレス姿ではなく、ツギハギだらけの衣服を着ているので、ちょっと貧乏そうな一般庶民という姿だった。
でもミリアの顔付きはとても美人だし綺麗なサラサラ髪も持っているし、それに歩き方もとても優雅に歩いているので、何というか雰囲気に関してはやっぱり貴族に見えるよな。
「……? どうしたんですか? ジークさん? 私の方を見てるようですけど……何か変な所でもありましたか?」
「ん? あぁ、いや。ミリアの服を見てたんだ。こんなにも綺麗に裁縫で服を直せるなんて凄いなって思ったんだよ」
「あ、そういう事ですか。ふふ。そう言って下さると嬉しいです」
俺はミリアの姿を見ながらそう褒めていくと、ミリアは嬉しそうに笑みを浮かべ始めていった。
そしてそれからも俺達は他愛無い雑談をしながら自宅へと帰っていった。しかしその途中、露店通りに差し掛かったその時……。
「……ん? あれは?」
「? 今度はどうしました? ジークさん?」
「あぁ。いや。初めて見る露店があると思ってさ。あそこの露店では何を売ってるんだ?」
「あそこ? ……あぁ、あそこにあるのはタピオカ屋さんですね」
「タピオカ屋? 何だそれ? 初めて聞くぞ。食べ物なのか?」
「少し前に貴族の間で流行っていた飲み物です。ミルクや紅茶などにモチモチ触感の芋餅が入った甘くて美味しい飲み物なんです」
「へぇ、そんな飲み物があるのか。全然知らなかった。それで? ミリアはそれを飲んだ事はあるのか?」
「はい。数回程飲んでみた事があります。とても甘くて美味しかったと記憶しています。ですがやはり普通の飲み物と比べたら少々割高になってしまうので、あまり何度もは買えませんでしたけどね」
「ふぅん。なるほどな。ちなみにそのタピオカ(?)ってのはガキ……じゃなくて。幼少の子供でも美味しく飲める感じの飲み物なのか?」
「はい。とても甘くて飲みやすいので、きっと幼少の子供達でも美味しく飲めると思いますよ」
「ふむふむ。なるほどな。それじゃあ物は試しってヤツだ。まずは試しに俺も一度飲んでみたいから、今から一緒にそのタピオカってヤツを買わないか? もちろん俺が奢るから、ミリアのオススメのタピオカメニューを教えてくれよ」
「え? 奢って下さるのですか? そ、それは嬉しいですけど……でもタピオカは少々値がはりますよ?」
「金の事は気にしなくて大丈夫だ。さっき臨時ボーナスが手に入ったばかりだしな。という事でそのタピオカ(?)ってヤツを飲んでみたいから、今からタピオカ屋に行くぞ。ミリア」
「あ、は、はい。わかりました、ジークさん!」
という事で俺は半ば強引にミリアを引き連れて、露店通りに新しく出来ていたタピオカ屋に向かった。




