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5.少年編⑤ シルク・ウェーブ④

シルク編終わるはずでしたが書いてたら

面白くなってきてもう少し書かせていただきます


翌朝袋を持って家を出て領主邸に向かった

執事が馬を連れて待っていた


賊の出没地域を執事と確認していると

領主邸の玄関から声がした


副「私が助け舟をあたえてやろう」


副領主は腕を後ろ手に回しているが

太っているので回っていない


副領主は後ろ手を崩して1枚の地図を

執事に渡した

執事は一礼して受け取る

振り向いた執事は腑に落ちない

顔をしていた


シルクは地図を受け取り確認していると


副「喜べ我の力で賊どもの居場所を

 調べておいてやったぞ!」


シ「...ありがとうございます」


シルクは一礼し感謝を述べる

頭を上げる時に副領主の目線は

シルクのブレスレットに向けられていた


副領主はシルクと目が合うと

誤魔化すように領主邸の中に

戻っていった


シルクは馬に乗り執事と最後の確認をとる

そして執事に色々助けになった事を

感謝して領主邸の裏門から出て行った


林から裏山を抜け街道を進み

賊がいるであろう地域を目指し

馬を走らせた


長い乗馬は体に負担があり

何回かに分けて休憩を入れた

半日ほど走り賊が居るであろう

地域に入る


あまり目立たないよう森の奥に

馬を隠して暗くなるのを待った


辺りが薄暗くなってきて

馬と袋を隠し移動する


林の奥に焚き火の光が木々に反射している

バレないように音を殺して

近づいていく


近くの村か町を襲ったのか

馬車から降ろされ

数人の女性が縄で縛られて

小屋に入れられているのが見えた


シルクは草の陰から様子を伺う

すると1人の大男が他の家から

出てきて挨拶されている

1時間程見ていたが大男が

この賊のボスなんだろうと思った


しばらくして背の高めの男が大男に

へりくだり女性達が入れられた小屋に

入っていった


シルクは見つからない様に大男が入った

小屋に近づいた

様子を伺うと中の女性達は

酷い事をされているのだろう

助けたかったがまだ全体を把握して

無いので耐えて明日助ける事にした


大男がしばらくしてへりくだり男と

一緒に笑いながら出て行った


近くに賊の気配がしなくなり

シルクは小屋の裏の壁板を

1枚外して女性達に小さな声で話しかける


彼女達は他の村から連れてこられて

奴隷として売られるのだと言う

助けてほしいとの事だったので

明日の夜に助けに来ると伝えたら

村に伝わる眠り薬を預かり

新しい酒樽に薬を入れ

賊のアジトを離れた


昨晩遅くなったので昼頃起きたシルクは

コインを使い白銀の兵士を召喚した


白銀の兵士は全てを理解している

シルクは鈍った体を動かし剣を振るう

白銀の兵士は何も言わずに

鍛錬に付き合った


夕刻になり白銀の兵士と話し

女性達を助けてから

ボスであろう大男のみに

狙いを定める事にした


体力的に全ての賊を相手にするのは

無理だと白銀の兵士の判断だった


夜になり馬を引きながら

静かにアジトに近づく

逃げる為に街道に近い林の木に馬を繋いだ


ほとんどの賊が酒を飲んだのか

眠りこけイビキを鳴らしている


女性達の小屋の壁板を人が1人通れる位

剥がして中にいる女性にナイフを渡し

縄を切って出てきてもらった


3人の女性にこのまま逃げるように促した

すると1人の女性は

ボスの男に取られた物を取り返したいからついて来ると言った


他の2人はシルクに頭を下げて

森の奥に音を立てないよう逃げていった


残った女性はシルクの後ろを静かに

付いて行き大男が居るであろう家に

2人は近づく

家の中に入ると椅子に大男が座って

寝ている


シルクはコインを使い白銀の兵士を

召喚し大男の首に白銀のロングソードが

振り下ろされた...が

衝撃音と共にロングソードが止まる


大「なんだてめぇは?」


音で起きた大男は側に置いてあった

デカい斧を持ち立ち上がる


白銀の兵士は何処かに

コイン持ちがいるよとシルクに言い


シルクは直ぐに攻撃に出る

大男に何度か切り付けると腕や脚には攻撃が入るが首には切り傷さえ付かない


痛えなと大男は斧をシルクに叩きつけ

シルクは壁に飛ばされるが

白銀の兵士は受け止めて守った


白銀の兵士はシルクに耳打ちをする

シルクは顔を驚かせ頷く


白銀の兵士とシルクの怒涛の攻撃に

無駄無駄と大男は遇らう

しかし白銀の兵士も

四肢を狙い攻撃を繰り出す

一方シルクは大男の首のみに攻撃を

仕掛ける


甲高い音がどんどん鈍い音に下がっていく

途中で大男は気付き

待て待てと焦り出した


シルクが首に一点の突きを喰らわし

どんよりした音が鳴る


大「待っ....」


回転しながら振る剣先が

大男の首と胴体を分けた


シルクは地面に倒れ息が上がっている

白銀の兵士はシルクを気遣う


立ち上がり首を布で包むが

疲れたシルクは少しよろけて

壁にもたれる


シ「こ..これで..はぁはぁ..」


しかし安心はできない

大男を倒したのにコインが無かったのだ

という事はコイン持ちは他にいる


シルクは女性に取られた物を

回収しといてほしいと告げ息を整える


女性は目当ての物を奥の部屋から

回収したらしく戻ってきた

指輪みたいで大事に握っている


少し休めたシルクは女性と

目を合わせ合図する

女性も頷き息を深く吐いた

シルクはゆっくり扉を開けた


周りを見渡すと焚き火の周りで

賊達が眠っている


アジトの外まで移動しようと

姿勢を低くして静かに歩く


その時...目の前にへりくだり男が

数人の賊を連れて現れた

シルクは女性を護るように剣を構える


へ「あらら...殺されちゃってるし

 よく気付いたねぇ」


へりくだり男は片手で肩に大剣を担ぎ

周りの賊達と小笑いしながら

布で包んだ大男の首を指差して

その指を少しずつズラしている


そして指先が後ろに居る

女性に標準を合わせると

シルクは一瞬の激痛に顔を歪ませた

脇腹にナイフが刺さっている


シ「なっ...くっ」


シルクを刺した女性は震えながら

地面にへたれて小さな声で

ごめんなさいを連呼している


白銀の兵士はシルクを抱え

女性と賊達から距離をとる


白「ソワニエ・ユヌ・ブレスール」


呪文を白銀の兵士が唱えると

シルクの刺された箇所は

血が止まりゆっくり傷が塞がる


ありがとうとシルクが言うと

白銀の兵士は一時的で

治ったわけではないので

目標を達成した今

すぐにここを離れようとシルクに言った


あきらかに大男との闘いで疲弊している

その上刺された場所も悪く体力的には

限界がきていてもおかしくはない


するとへりくだり男が

へたれている女性の近くまできて

部下から布に包まれた何かを

受け取ると女性の元に投げた


布が剥がれ若い男の生首が

出てきたのを見て女性は

なんでなんで約束が違うと泣き喚いてる


へ「そいつも返せ返せとうるさかったけど

 お前もうるさいな」


「もういいや邪魔」と言い女性の首に

大剣を振り下ろした


シ「ひどい事を...」


シルクの言葉にへりくだり男は笑いながら

離れ離れの方が酷いだろ!と笑う


へ「それにしてもお前の異能いいなぁ

 意思が有って話せるし

 治癒も出来るとか最高じゃん

 しかもゴールドだろ?

 依頼とか関係なく欲しいねぇ」



*ブロンズ•シルバーは

 意思は繋がっているが

 会話はできないとされている



シ「...依頼?何故私の異能がゴールドだと

 知っている!?」


賊の部下が近寄ってへりくだり男に

ボス...バラしたら駄目ですよ!

と言った自分がへりくだり男をボスだと

言った事に焦って口を手で塞いだ


シ「ボス...?じゃあこの男は...?」


布で包んだ中の首を確認する


ボ「依頼主が連れて来た死刑囚...ククク」


その顔が見たかったんだ

と自分の作戦が綺麗にハマった事を

自慢したいのか喋り出した


実はシルクはここに誘き出された事

死刑囚をボスに見立てて行動した事

女性にも人質を取って協力させた事


ボ「この女がこちら側って事は...?」


酒で眠っていると思っていた

賊達は眠ってるフリをしていた事

合図と共に暗闇から賊達が現れた


歓声と共にシルクと白銀の兵士は

賊達に囲まれて逃げ場が無くなった


ボ「生きて帰れないから

 今のうちにお互いにお別れしときな」


ボスの男は大剣を盾の様に掲げコインを

窪みにハメて唱えた


ボ「カモン!ルービン・カーター」


銅色の閃光がボスを包み異能が召喚された

暗闇に同化した風貌をしており

拳から手首にかけて

包帯を巻いていて武器は無かった


大男を倒したならわかってると思うが

とボスはニヤリと笑う


ボ「10カウント!」


*10カウント〜同じ箇所を同一人物に

 連続で攻撃されないと解除されない

 

スキルを唱え

ボスの首に見えない障壁が展開された



''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''

挿絵(By みてみん)

ルービン・ハリケーン・カーター


ある夜を境に私の運命は暗転した

世界王座を夢見たプロボクサー


私は7人兄弟の4番目として生を受けた

吃音どもりのコンプレックスを

抱えていた


私は幼い頃から激しい気性を持ち

社会への不満を拳で表現するようになり

わずか11歳で少年院に送られ

脱走して陸軍に入隊


そこでボクシングに出会い

私の人生を大きく変えた


除隊後に再び犯罪に手を染めて服役し

刑務所を出た私は

プロボクサーの道を歩み始め


リング上の相手を瞬時に恐怖に陥れる

圧倒的なパンチ力と凄まじいスピードで

トップランカーへと駆け上がり

世界タイトルマッチにも挑戦


黒人の若者たちのヒーローとなり

富と名声を掴みかけた...

その時運命の歯車が狂い始めた


あるバーで2人の黒人男が乱入し

白人のバーテンダーと客を

射殺する事件が発生した


警察は現場近くを車で走っていた

私と友人を拘束

現場の目撃証言はあいまいで

私の車から硝煙反応も出ず

決定的な証拠は何一つ無かった


しかし当時の社会に根深く残る

黒人への人種差別

そして警察の強引な捜査により

私と友人は仕組まれた罠に落ちていく


皆が注目する裁判の結果

陪審員は全て白人で固められ

下された判決は「終身刑」


リングの大歓声は消え去り

私は冷たい鉄格子の奥へと降りていく


私は徹底して「囚人」になることを拒み

囚人服の着用を拒み刑務官の命令に背き

独房に引きこもることで

自分の人間の尊厳を守ろうとした


私は無実を訴え続けたが司法の壁は厚く

再審請求はことごとく却下された


年月が流れ当時の警察が証拠を隠蔽し

人種差別的な動機で私を陥れた事実が

次々と暴かれて19年...


実に6,938日ぶりに私は自由の身となった

しかし自由の代償は大きく


長い服役生活の間に妻とは離婚

実の子供たちとの間には埋めがたい

深い溝ができていた


私が手に入れたのは自由だけではない

痛みを伴う無実だった....


私は召喚された時の事を今でも覚えている

彼は私を見て...まるでリング上にいる

ヒーローを見るように目を輝かせていた


話す事はできないが魂で彼は

私を理解して同情してくれた


彼がもがき苦しみ今に至る事を知り

若い頃の私と重ねてしまう


1人の青年がこの世を恨み憎しみ絶望し

行動にしている事を...


私は彼の罪を一緒に背負うと決めた

少しでも軽くなるように


10カウントは他の箇所に攻撃してしまうと

リセットされます

ある意味鉄壁でわ?

シルクと白銀はどうやって

切り抜けるのか!?

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