信頼されているのは嬉しいですが…
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お父様と別れ、戻ってきた私達は部屋を見渡した。
「ふたりはまだみたいだね」
「ええ。国王陛下もお忙しいでしょうから、きっと時間がかかってるんだわ」
部屋の中には誰もおらず、私達は先程まで座っていたソファーへ腰掛けた。
「けど、まさかヒロインがここまで押しが強いとは思わなかったわ。学園が始まってからならともかく、今の段階でここまでするなんて……」
「そうだね。ハーレムルートは無かったはずなんだけど、どうも彼女は攻略対象なら……この場合は僕ら三人なら、誰でも良いとばかりにアタックしてる。ちょっと行動が気になるところだけど……今はとにかく関わらないしか方法はないかな」
「そうね。この数日さえ乗り切れば……簡単には王城には入れないはずだし、出会う機会なんてほとんど無いから大丈夫だと思う。多分……」
幸いなのは、この世界でそこまで聖女という役割が重要視されていない事か……。きっと他のゲームみたいにドラゴンが出てきたり、聖魔法がどうとかってなったら王家も保護に回ると思うけど……でもゲーム補正とかあったらやっぱり聖女って事でなんやかんや理由つけて保護とかされるのかしら。
「心配ないよ。王家としては母上があまり彼女の事を好いてない以上、父上がどうこうする事はないし。……まあ、父上も今回は彼女に対して否定的だからね。数日乗り切れば入学するまで会うことはないと思う。パーティーでも僕やサラとは気軽に話せる家格じゃないし、マナーを学ぶまでは社交界にも出ては来れないはずだ」
私が黙り込んだのを不安があると取ったのか、レオがにっこりと笑う。
「それに、僕は隣に立つのはサラしか考えられない。サラがお嫁さんになってくれるなら、僕はどんな手でも使うよ」
「ふふ、そこまで心配はしてなかったけど……ありがとう」
どちらかと言うと三人が今回みたいに疲弊してしまう方が心配だったけど、こうやって気にかけてもらえるのは素直に嬉しい。
こういうレオの素直に好きだという気持ちを伝えてくれるところが、やっぱり素敵だわ。
そう思ってジッとレオを見つめると、レオも私のことを見つめ返してくる。なんとなくふわふわした気持ちになって口元が緩むと同時に、ガチャリと扉が開く音がした。
「たっだいまー!」
「ただいま戻りました」
扉の先には、晴れやかな顔をしたツヴァイとアルがいる。
「お帰り。どうだった?」
「快諾も快諾! ゆっくりしておいでだってさ」
「さすがに軽すぎないかしら……?」
「陛下が仰るには、同年代の交流を地位に関わらず出来るのは子供のうちだけだと……そして、滞在先がアーガイル家であれば安心して任せられるとのことです」
そこまで信頼されているのは嬉しいような……ううん、複雑だわ。
でも、ひとまず三人が少しでもゆっくり出来る時間が出来たのは何よりだし、お泊り会みたいでちょっと楽しみかも…。




