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★異質(レオ視点)

ブックマーク&評価ありがとうございます!

「………うむ。そなたが聖女を名乗り訪問してきたアリスか。聖女としての力を見事披露したと聞き及んでいる」



 冷気を発していた父上だが、平民出身であれば作法も知らないのだろうと感情を押し殺したのが声から伝わってきた。



「はい! お褒めに預かり光栄です!」



 認めてもらえた、と喜ぶヒロイン……。隣を見ると、あまりの彼女の自由さにサラは呆気にとられている。


 僕としては、コレが学園に入学して来てマナーを口酸っぱく言う生徒がいたら褒めてあげたい。それがゲームの通りのサラだったら、よく指摘したねって頭を撫でてあげたい。


 それほどまでに彼女は……オブラートに包んで、奔放だった。



「そなたは平民だと聞く。聖女であると認定された以上、貴族に籍を置いてもらいマナー等も学んで貰いたいのだが……」



「はい! 分かってます! それと学園にも通えるんですよね? 楽しみだなぁ。あ、マナーって王宮で学べるんですか?」



 遮った!!! 一国の王の言葉遮っちゃったよ!!!



「………聖女アリス。今話しているのはどなたか知っていますか?」



 あまりの無礼さに一瞬、謁見の間が凍りつく。


 その一瞬の沈黙を破ったのは、我慢がならなかった母上だ。眉間にシワを寄せながら彼女へと問いかける。



「知ってますよ? 王様でしょ? 貴女が王妃様で………やだ! レオナルド様とツヴァイ様もいる!」



 そしてこちらにも目線を向けた彼女はキャーと黄色い悲鳴を上げて両手で頬を挟むとうねうねと体を揺さぶった。前世も含めても、会ったことがないタイプだ……イタイ………。



 けど、僕とツヴァイを認識する直前。こっちを見た彼女がサラを見て目を丸くし、睨みつけたのを僕はしっかりと見た。



 黒、かな。



「知っていたようで良かったわ。でもこれは知らないようだから教えてあげる。王族の言葉を遮る発言はとても失礼なことだからしたら駄目よ」



 母上がにっこりと……端から見たらとても優しいが、知っている者が見たら怒りを内包していると分かる笑みを向ける。



「はい! 教えてくださりありがとうございます、王妃様! でもぉ……あの、そこに王族じゃない人もいるみたいなんですけどぉ……」



 そう言って目線を向けるのは僕の隣。つまり、彼女はサラに対して王族でもないのになんでそこに居るのだ。と言いたいのだろう。


 その甘ったるい言い方に隠したつもりでいる悪意にカチンときて、僕は満面の笑顔を浮かべた。



「陛下、発言をお許しください」



「うむ。良いだろう」



「ありがとうございます。……さて、王族ではないというのはサラのことかな? 彼女は特別なんだ。なにせ、僕の大事な…愛おしい婚約者だからね。今日はちょうどデートしていたし、せっかくの逢瀬を切り上げるのも勿体無いから国王陛下に許可を取って、一緒にここに来たんだよ。サラは僕の妻……未来の王妃になる身だから、ここにいる誰もが納得の上、この場にいるんだ」



 そう言ってサラへと微笑みかける。彼女は僕に対して「好き」とかそういった言葉は言わないが、こうして好意を向けると耳を赤くして口元が少しぷるぷるする。本人は気付いてないと思うけれど……。


 そしてそれが彼女から好意的に思われている証だと思っているので、僕はそれを見るのがなによりも好きだ。



「あらまあ、レオナルド。二人の世界に入るのは良いけれど、続きは後にしてくれるかしら?」



 ほんのりと赤らんだ可愛らしいサラを見つめるのを邪魔されるのは癪だが、母上が言うのも最もなので素直に頷いた。……まあ、手を繋ぐくらいは許されるだろう。



「……………」



 そういえば途中からヒロインの事を忘れていたなと思いチラリと視線を向けると、ヒロインに有るまじき形相でサラを見ている。



 さすがにあからさま過ぎるのではないかと思うが、僕の視線に気が付いた彼女はパッと顔を明るくした。そしてコクコクと頷くと、パチンとウィンクを飛ばしてくる。



 ………その動作、どう考えても「分かってます、私には伝わってますからね」的なニュアンスっぽいんだけど……今の一連の流れをどうしても正しく認識してなさそうな気がするのは気のせいかな……。



 これから先が思いやられるな、と少し遠くを見つめてしまう。これはもう、なんとしてでもサラを守り抜かないと。



「あのぉ、ところで私はどこでマナーとか学べば良いんですかぁ? やっぱり、王宮とかですかぁ?」



 心の中で再度決心をしていると、あの妙に間延びした甘ったるい声がかけられた。


 どう考えたら今の流れで、あの無礼さで王宮でマナーを学べると考えられるのか分からないが、そのメンタルの強さだけは少し羨ましくなってくる。



「いや。そなたにはモーガン男爵家で学んでもらう。そして学園を卒業するまでの間は護衛をつけよう。先方には先程文を出したから、1週間後には迎え入れる準備も整うだろう。それまでは生家の方で色々と準備をするがよい」



「えー! 王宮じゃないんですかぁ?」




冒頭にも書きましたが、ブックマーク&評価ありがとうございます!

読んでくださっている方がいるということが、モチベーションとなってます。

レオ視点になると度々サラに関することで話が逸れたり止まったりしますが、お付き合い頂けると嬉しいです。

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