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心穏やかにはなれません。

 その報告を聞いたのは、私がレオと共にサロンでティータイムを楽しんでいた時だった。



「急ぎ、レオナルド王太子殿下に申し上げます。本日、聖女の力を持つという少女が王城に参りました。真偽の確認のために時間を要しますが、もし本物の聖女だった場合についての話し合いが必要との事で、国王陛下より急ぎ応接室へとの事です」



 そう伝えに来たのは、国王陛下付きの騎士であった。彼は急いで伝えに来たようで、頬に一筋の汗が伝っていた。



「聖女……」



 そしてその報告を聞いた私は、突如頭を横から強打されたかのような衝撃を受けていた。


 早すぎる。


 本来では聖女の力が分かるのも大分先で、しかも自己申告ではなかったはずだ。


 来る時の為、私とレオはツヴァイとの関係改善とアルとコミュニケーションを取る事にしたが、それは土台というだけであってまだ心構えやヒロインに対する対処に関しては何も準備が出来ていない。



 ふと隣を見ると、レオは笑みを消して唇を引き結んでいた。……何を考えているのか分からない。



 多分、申告してきたという少女はヒロインだ。おそらく……転生者。そうでなければ私達の行動がゲームの枠を大きく超えてヒロインにイレギュラーな行動を起こさせていると考えるのが妥当だが…普通に考えても私やレオという前例がある以上転生者の可能性が高いだろう。



「分かった。すぐに向かおう」



 その声は硬く、私と同じ懸念を持っているのだろうと感じられた。


 突如現れた聖女……。そして、国王陛下からの呼び出し。


 ふと見ると、レオの後ろにいたアルも珍しく動揺を浮かべていた。



「サラ、大丈夫かい?」



 そんな中、ふといつも通りの笑顔に戻ったレオが私の背中にそっと手を回してそう問い掛けてきた。



「ええ……大丈夫…」



 きっと、私は今ひどい顔をしているのだと思う。それを見て、レオは私を心配してくれたのだ。だけど、今は弱ってる場合じゃないのだからしっかりしないと。



「もし無理そうなら良いんだけど……サラも一緒に来てくれるかな」



「え?」



 思いがけない申し出に虚をつかれ、私は間抜けな声を上げてしまった。



「さすがにアルの同席は無理だけど……サラは婚約者だから大丈夫だと思う。後から話を聞くよりは同席した方が良いかと思ったんだけど……どうかな?」



 確かに、ここで帰って結果を待つのは精神衛生上、良くない。それなら同席できるのならしてしまった方が良いのではないか……。



「そう、ですね……国王陛下がお許しになられるのでしたら、ぜひ」



 頷くと、レオもそれを返してくれる。



「それじゃあ、行こうか」





✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽




 テーブルの奥には難しい顔をした国王陛下と、微笑みを絶やさない王妃陛下。そして正面にツヴァイ。私の右隣にはレオが座ってテーブルを囲んでいる。



 あの後、応接室へと向かいレオが私の同席を求めるとすんなり許可が降り、現在この場に私も同席させてもらえている。



「既に知っていると思うが……聖女の力を持つという少女が先程王宮へ現れた。現在はその力を確かめているのだが…皆に集まってもらったのは。その者が本当に聖女であった時の処遇についてだ」



 重々しげに口を開いた国王陛下は、ふう、とため息をつく。

お久しぶりです。

しばらくの間ですが、忙しくなるため週一での更新になります。

ストックの確保のためなので、また充分溜まったら週二更新にさせていただきます。

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