衝撃だったようです
「ごめん、ごめん。待たせたね。……って、どうしたの?」
そこにやってきたのは、レオだった。ある意味ベストなタイミングで来てくれたかもしれない。
「どうもしないよ。それにしても、サラ嬢は楽しい人だね。とても想像力に溢れていて…噂よりもユニークな人だ」
笑顔を貼り付けたまま、遠回しに先程の嫌味を言われる。すべて私の妄想だと片付けようとしている…その物言いに、若干カチンと来た。
「そうなんだ。サラは噂に違わぬ令嬢でありながらユニークな発想を持ち合わせ、さらに選民意識もなく万人に平等で、それだけでも素晴らしいのに観察眼も鋭くて目の付け所がすごいんだ! そして性格だけじゃなくて僕が好きなのはこの愛らしい顔! 波打つピンクの髪は春の訪れを連想させるかのように可憐で、アメジストのような瞳に見つめられると僕は胸のときめきが止まらないんだ。あまりの可愛さに血圧が上がりすぎて、僕のキーゼルバッハが耐えられないくらいなんだけど……あ、ダメだよ。いくら可愛くても僕の婚約者だから。あげないよ」
カチンと来たが……そのすぐ後に続くレオのサラ語りに毒気を抜かれた。
レオがサラ大好きなのは知っていたが、ここまでマシンガンの様に猛プッシュされると流石に引く。
まだツヴァイ殿下の手前オネエ言葉になってないだけ良いが、どんな気持ちで兄の惚気を聞いているのだろうかとチラリと殿下へ目を向けると…。
「……………」
唖然。ぱくぱくと動く口は、なにか言いたいが言葉が出てこないのだろう。普段とは違うレオに引くかな…と思ったが、まず処理しきれなかったらしい。
というか、キーゼルバッハが耐えられないなんて表現初めて聞いたわよ。
唖然とする弟と呆れる婚約者に気がついたのか、ひとつ咳払いをしたレオが取り繕うように歩いてきた。
「まあ、僕の婚約者が世界一可愛い話は置いておいて……ふたりでなにを話していたんだい?」
「……世間話ですよ。すみません、兄上。ちょっと体調が優れないので…また後日改めてで良いでしょうか…」
「え、大丈夫? 医者呼ぶかい?」
「いえ、ひとりにしてください……」
そのまま、魂の抜けたかのように部屋を出ていくツヴァイ殿下。
「大丈夫かなぁ…」
「あなたのせいですよ、レオ…」
私は呆れてため息をつくしかなかったのだった…。
今夜が明日にでも活動報告上げようと思います。




