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村一番のアホが大賢者に弟子入りして伝説のダンジョンで修練して腕あげて魔王を倒しちゃう大魔導士の話  作者: 佐久間五十六


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冷静と情熱の間

 いよいよ伝説のダンジョン、ドラゴンルームも後半戦に入った。一般平均到達階を大きく越え、ここからが本当の試練の始まりだったのかもしれない。

 ルーザックにとって戦いは、自分を強くする可能性の追求の為のツールでしかない。複合呪文という新たな特技を取得した事により、その可能性は大きく広がった。

 しかし、まだそれを上手に使いこなせているかと言えば、そうとも言い切れない部分がある。自分の中で描いている理想像と、現実の等身大の自分が、フィットしていない。とでも言えば良のいのかもしれない。

 敵が強くなれば、強くなる程ルーザックは、可能性の引き出しを多く見つける必要がある。そういう意味では、ドラゴンルームという場所は、まさに格好のフィールドであった。

 エリアボス1体の倒し方にもこだわる様になってきたのは、これまでには見られない兆しだった。

 さて、サクサクとエリアボスを倒して迎えた60階のカテゴリーボスは、ドラゴンヒーローだった。人間のジョブで言えば勇者に当たるのかもしれないが、ドラゴンヒーローの実力は、人間の勇者の足元にも及ばなかった。

 ただ、伊達に勇者の看板を背負っているだけに、それなりの実力はあった。攻防のバランスもとれているし、何にせよ弱点らしい弱点が見当たらなかった。

 こういう場合、ルーザックはまずどのような攻撃呪文が効果的なのかを使いながら、ジュモバリア(魔法耐性アップ呪文)や、ジュカラ(防御力アップ呪文)で守勢を整えでおく。ダメージをくらえば、ベトマ(体力全回復呪文)でしっかり回復する。そうやって有効な呪文を探し出す。

 今回はテラ系呪文が有効な呪文と判断したルーザックはテラノーマ(上級火球呪文)×ナギクロス(上級風圧呪文)=テラクロスや、テラノーマ×ディオナズム(上級爆破呪文)=テラナズム等の複合呪文で攻めた。何とか粘りながら、効果的な呪文選びで、時間はかかったが、ドラゴンヒーローを倒した。

 「どんな戦いも、自分が何をしなくてはならないのか、冷静に考える事が出来れば、その戦いはアドバンテージを持って進める事が可能である。これからもその基本理念は変わらないだろう。」

 ルーザックは60階までクリアしたが、気負いやプレッシャーなどはない。ルーザックは、ここで、2度目の休息をとって先の残りは40フロアに備えて魔法力を回復し、ラストスパートに備える事にした。

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