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村一番のアホが大賢者に弟子入りして伝説のダンジョンで修練して腕あげて魔王を倒しちゃう大魔導士の話  作者: 佐久間五十六


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クエスト92 自分との闘い

 言うなれば、これは自分との戦いでもある訳で、自分の限界を越えなければ、100フロアクリアは難しい。自分の能力云々がどうこうというよりは、自分にどこまで厳しく出来るかという事である。

 甘える相手もおらず、頼れるのは自分が磨いて来たスキルだけである。パーティー戦ではカバーしてもらっていたウィークポイントも、個人戦になると、浮き彫りになるのであった。自分を見つめる為の要素はそろっている。

 自分に勝つ事が出来なければ、例え100フロアをクリア出来たとしても、あまり意味がないだろう。それはルーザックに限らない。

 自分に勝つという事は戦う戦士(ファイター)の宿命的なものである。勿論魔導士も戦士の一人だ。ルーザックの場合は、大魔王バルガスに挑戦する勇者のパーティーの一人だ。自分に勝てないならば、どうして大魔王バルガスに勝てるというのか?世界平和とはそんな生半可なものではない。克己心という言葉があるように、自分に勝つ事は絶対に欠かす事の出来ない要素である。

 世界を平和にしようがしまいが、自分に勝つ事の出来ない人間は勝利の栄冠を享受出来ない。努力しましたから、結果をください。そのようなスタンスでは自分に勝ったとは言えない。勝利の女神もそのような態度では、そっぽを向いてしまうだろう。

 大切な事は、自分のあらゆる欲求に打ち勝ち、貪欲に勝つのかという事である。自分さえ乗り越えてしまえば、恐れるものは何もない。自分に勝つ為のプロセスさえしっかりしていれば、人生で壁にぶつかった時に、同じプロセスを踏んで乗り越えて行ける。

 自分に勝つ事の出来ない人間は、世の中にごまんといる。しかし、そういった人間の多くは、いつか誰かが何とかしてくれると思っている。あげくのはてには、他の人間がやってくれるなら、自分は何もしなくて良いと思っている。そういった甘えのある人間の何と多い事か。

 しかし、ルーザックはそういった人種とは違う。自分自身とガチンコで勝負して、勝って乗り越えて行けるはずである。精神論が出過ぎたが、ルーザックは自分の為、人類の未来の為、是非この試練を乗り越えてもらいたい。

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