クエスト83 ルーザック覚醒
ルーザックは悩んでいた。本当にこのままで良いのかと。実力はついてきた。そりゃあ、一応大賢者グドルフの後継者だからな。しかし、覚醒するとまでには至っていなかった。
だが、それでは困るのだ。大魔王バルガスを倒す為には、もう1段階も2段階も上の次元のレベルに覚醒する必要がある。でなきゃ、俺はパーティーの御荷物になりかねない。ならばいっそ、ピルティン達と一端別離して修業を重ねるか?しかしこのパーティーには、俺が必要な事も良く分かりきっている。だからこそ悩ましいのだ。
長い目で見れば、絶対に覚醒はしておくべきだ。しかし事はそう単純ではない。こういう時に大切なのが、自分の意思だ。自分の意思の所在が何処にあるかを知れば、今何をやらなければならないか、分かる。頭で分かりきっていても、やるのは難しい。なかなか、理想通りには行かないものだ。
ルーザックはこんな大切な事を誰にも打ち明けなかった。それは、仲間が信頼出来ないといった類いのものでもない。仲間の事を思うばかり、言い出せなかった。しかし、1人で抱え込むのもあまり得策ではない。仲間の意志を聞くことも重要だ。
ルーザックは、パーティーのリーダーピルティンと、理想の道筋をつけるのが、この問題のベストアンサーだと思った。だが、ルーザックはピルティンに話題をふることが、出来ないでいた。ピルティンが嫌いだからとかそういう話ではない。ここは、リーダーの勇者ピルティンに勇気を出して、ピルティンに包み隠さず全てを話す事にした。勿論、反対される事は想定内だ。ここで黙ってパーティーを離れるのは簡単だ。だが、そんな事を出来るはずもない。パーティーに迷惑をかけるのが嫌なら、素直に話す事の方が懸命であろう。




