クエスト81 それぞれの過去①
ピルティンやマルゲラやスーゲルには、それぞれ決して単純ではない過去を持っていた。
それぞれの過去は詮索しない。それがこのパーティーの、暗黙の了解であった。それでも、付き合いが長くなると、それぞれのメンバーが過去をルーザックに語ってくれた。
ピルティンは、言うまでもなく勇者トトの子孫つまり名家の出である。彼はそんな堅苦しい肩書きが重荷だった。だから旅に出た。当然両親は猛反対した。それでも、彼は井の中の蛙大海を知らず状態にはなりたくなかった。マルゲラやスーゲルに出会ったのはそんな頃だった。一人旅をさせる訳にはいかないと、父親のロードセシルが強者を指名同伴させたという。
マルゲラもまた名家の坊っちゃんであった。ロードセシルに指名してもらうため、宝を見つけてはロードセシルに献上して名前を売った。ピルティンの部屋の掃除や便所も掃除した。そうこうしているうちに、10年が経過した。何とかピルティンと旅を出来る様になったのは。
そんなこともあり、ピルティンとマルゲラは深い絆で結ばれている。また、マルゲラは聖武具の戦士のアクスを探すという名目で、里を後にしていた。ピルティンの用心棒だと里の人間に知られたら、マルゲラの評価は地に落ちる。
マルゲラはピルティンの為なら死ぬ覚悟があった。ピルティンもその芯の強さに全幅の信頼を寄せていた。




