クエスト62 卒業試験②
グドルフとルーザックの一騎討ちによる卒業試験は、予想通り呪文の応酬だった。
両者の実力が拮抗しているのか、呪文が中々お互いにヒットしない。ディラ系呪文をルーザックが使えば、グドルフもディラ系呪文で相殺する。他の呪文もほとんど同じ事が起きて、これではらちが空かない。
そこで、ルーザックは自分自身にマホバリアをかけて呪文を反射させ、グドルフに当たる方法を思い付く。一度はねかえった呪文は、2度ははねかえらないというリターンルール(魔法反射の法則)を踏まえたものであった。
この作戦で、ルーザックは少しずつグドルフに魔法を当てていく。しかし、グドルフも同じ事が出来た。またまたらちが空かなくなるか、と思いきやグドルフは同じ事をしなかった。まるで、攻略法を見つけさせて悦に入ったかのようだった。グドルフは、この闘いを勝利するつもりはない。だが、勝つ気持ちがないかというとそうでもない。愛弟子に引導を渡す位の勝ち気はあった。
しかしながら、ルーザックのレベルが自分を越えるものであった事には驚いた。それが分かるだけでも、充分だった。ルーザックには酷かも知れないが、病気で死ぬよりは、愛弟子の一撃で死んだ方が大賢者グドルフの名が後生まで残る。そんな想いでルーザックの攻撃をいなしていた。
ルーザックも全力で師匠グドルフに呪文をぶつけまくっていた。全力には全力を持って応える。騎士道精神に溢れる闘いだった。勝敗が決したのは、対決開始から一時間半後の事であった。
「ぐわあぁぁ。」
グドルフはその場に倒れこんだ。
「師匠っ!」
「来るな、来てはならん。ワシはもう死ぬ運命なんじゃ。」
「しかし、グドルフ師匠にはまだ死んでほしくありません。」
「いいか。ルーザック。人間には、寿命というものがある。ザオレイやザオレイズの復活系呪文も、寿命を越えた人間には効かない。この世界には潮時というものがある。ワシの伝えたい事を書いた手紙をワシのアジトに置いておいた。もうワシには悔いはない。ルーザック、愛弟子として活躍するのを天から見守っておるぞ。さあ、とどめを刺すのじゃ。」
ルーザックは涙が止まらなかった。とめどなく溢れる涙でルーザックの顔はぐちゃぐちゃだった。
「くっそぉぉ!テラノーマ‼」
ルーザックの放った火球がグドルフを飲み込んで行った。
「師匠ぉぉ〰!!!」




