クエスト60 知らず知らず
思い返せば、知らず知らずの内に使える呪文数が増えていた。ほとんどの呪文の契約は、グドルフ師匠によってなされていた。
その為、時間が経てば使える呪文数が増えるのは当たり前の事であった。それでも初めて覚えた呪文を、使った時の快感は、魔法使いにしか分からないものだろう。
10人切りを達成して行く中でも、ルーザックは使える呪文の数が飛躍的に増えていた。ルーザック自身の成長と、呪文使用可能数の上昇は、全く別のものであり、両者は相入れるものではない。しかし、二つのベクトルは同じ方向へ比例的に上がって行く。
ルーザックの成長により、使える呪文が増えた事によって、更に加速度的に魔導士として、レベルが上がったのも事実だ。
さて、リーバルク帝国内にいたルーザックではあるが、優勝の報告も兼ねてグドルフのいる、メラガディア共和国に帰省することにした。成長して一皮むけた一番弟子の姿を見て、喜んでくれると、思ったからである。グドルフの元を旅立ち約2年程が経とうとしていた。10人切りに時間がかかった訳ではない。移動と沢山のビーストの相手をしていたからである。
二年経とうとした今でも悟りの書の情報がほとんど入って来ないという事は、ルーザックをイラつかさせた。まぁ、リーバルク帝国の右から左、上から下まで、全てのエリアを探した訳ではないから、他をあたるしか無かった。それよりも運が悪いだけなのか?とも思ったりした。悟りの書のさの字も出てこないのは、確かに不自然だ。
シルバー・オブ・マジシャンの称号を手に入れても、悟りの書は手に入らない。これはグドルフに直接聞いてみよう。とも思った訳である。名目上はコール・リプレイスの完全制覇だが、実質ルーザックが次に向かうべきは何処なのか?それを聞くためであった。ルーザックは覚えたてのドゥーラを使うことにした。ドゥーラは、一度行った所に、何度でも往来出来る補助系呪文だ。
このドゥーラという魔法は、勇者か魔法使いしか使う事を許されていない。そこまで難易度の高い呪文ではないが、使えるとパーティーの移動がより広範囲になり、やがては全世界の主要な都市や村に行き来出来る。
だが、まだルーザックはリーバルク帝国とメラガディア共和国にしか行っていない。まぁ、何はさておきルーザックは、メラガディア共和国にドゥーラした。ビューん。




