クエスト52 5人目の試練
前半戦ラストの対戦相手は、人間ではなかった。人造ビーストのドラゴニス型ロボットのドラリアンが相手だった。
人造ビーストは、人間が強力なビーストを倒せる様にするために開発されたシュミレーションロボットだった。言うなれば実験台である。
コール・リプレイスでは、挑戦者が5人目に到達する度に人造ビーストと闘うのが、通例であった。人は死ねば終わりだが、人造ビーストなら壊れてもまた作れば良い。コスパも良い。まさにコール・リプレイスには必要不可欠とも言えるものであった。
コール・リプレイス支配人キンドルは、わざわざ人造ビーストの権威である、コバンチョフ博士の元へ出向き3体の人造ビーストを手に入れた。その中でも、ドラゴニス型のドラリアンは最強だった。そんな強そうな人造ビーストだが、弱点がある。雷系呪文と爆発系呪文に弱いのだ。冷熱や風、打撃攻撃には無類の強さを発揮する。
ルーザックはメガデイン(雷系呪文)と、ディオラ(爆発系呪文)を中心に攻めた。
「へっ。レストルームに人造ビーストのレポートを置いとくなんて、不用意だな!敵に塩を送ったつもりだろうが、俺の目に見せるべきじゃなかったな。」
強力なブレス攻撃にはビュバーハと、いつも通りジュカラで防御力を上げる。ディオラと、メガデインの効果は想像以上であり、根負けせずにディオラを唱え続けていると、遂にドラリアンが地に膝をつけた。止めは覚えたてのディオナズムで決めた。
「覚えたての呪文でフィニッシュブローを決めるって気持ち良いな。魔導士ならやっぱ上級魔法を使えてナンボのものであろう。これからもどんどん使えるようになるで。」
呪文は契約して直ぐに使えるようになる訳ではない。ある程度の実戦を経験して行く中で、ようやく使えるようになって行く。ルーザックの両腕には使用できる呪文が刻印されている。腕に呪文の名が刻まれた時、初めて呪文が使えるようになる。
ルーザックの言う通り、一流の魔法使いなら、多くの種類の魔法を使えるようになって行く。ルーザックの目指す所は全魔法完全制覇である。




