クエスト47 10ヶ月
そんなコール・リプレイスの現状をよく知らないルーザックは、10人いるなら一人頭1ヶ月もあれば楽勝であろうと、完全に甘く見積もっていた。その計算の根拠が、どこにあるのか定かではないが、それが間違っていたのは確かである。
10ヶ月でも、10年でも勝てないものは勝てない。それに、フォー・キング・オブ・コールの実力は半端ない。
コール・リプレイスでは、挑戦者から、参加費用に5万スターを徴収している。ルーザックは、グドルフから軍資金として、20万スターを持たせてくれた。その貴重な軍資金の中から5万スターを捻出した。
もちろん、10人切りを達成すれば賞金1000万スターと名声が手に入る。収支計算としては、plusになるのだが、想像を絶する困難がそこに待ち受けていようとは、ルーザック自身思っていなかった。サクサクと10人切りを達成して、賞金も頂いて行こう。そんな軽々しい気持ちでいた。現にルーザックはこう語っている。
「たかだか、闘技場のレベルでしょ?今の自分なら、10人の雑魚に負ける道理はないでしょ。1000万スターは頂きだね。」
ルーザックの見解はあまあまだ。まず、10人を全員雑魚と侮っている事。そして、1000万スターが雑魚を倒して得られると思っている事。全ての見解が、自分にとって都合の良いように解釈していた。
本来のルーザックなら、そのような安易な見解を下す人物ではないのだが、一体どうしたと言うのか?ルーザックらしさがまるでない。相手を研究していないし、何よりも根拠もなく楽勝であろうと油断している。こんな状態で、10人切りを達成出来るほど、コール・リプレイスは甘くない。
きっとルーザックは闘技場を見に行った時に、1~5人目の戦士しか見れなかったのだろう。それならば激甘な解釈に至っても仕方ない。後にルーザックは、自分の見解が間違っていたことを反省する機会が来るのだが、コール・リプレイスの本当の恐ろしさを知るのは6人目からなのである。
多くのplayerも、1~5人目の戦士は倒せている。だが、軒並み6人目から別格の強さの戦士がplayerの行く手を遮っていた。
グドルフが卒業試験にこのコール・リプレイスを選んだ理由が何となく分かった。自分の実力がどのようなものであるかを、ルーザックは知らない。今の自分にしっかりと目を向ける事は、今後成長して行くためには欠かせない。そして、この挑戦に失敗すれば死よりも苦しい汚名か、死が待っている。
だが、準備期間に10ヶ月あてるというなら、それは妥当な判断である。




