クエスト44 コール・リプレイスへ行け
師匠との別れ際、ルーザックは初めて次の行き先を知った。
「ルーザック、お前はコール・リプレイスへ行くのだ。」
コール・リプレイスは、世界最大の艦隊であるバンドーズア艦隊を保有するリーバルク帝国にある世界最大規模の闘技場の事である。観客がアンコールを繰り返し、勝利プレーヤーが闘技場に再び呼び戻される事から、この名がついた。
この闘技場には、魔法使いだけではなく、戦士や武道家など、職種を問わずエントリーしてくる。負ければ"死"。死にたくなければ、死ぬ前に降参するしかないが、降参した者には、死よりも厳しい不名誉がプレーヤーには与えられる。
それが嫌ならば、勝つしかないのである。10人勝ち抜けば殿堂入りとなり、コール・リプレイスの呪縛から解かれる。
しかし、コール・リプレイス100年の歴史の中で、10人切りを果たして、殿堂入りしたのは只一人。伝説の剣豪モモドア・クロムハープしかいない。
グドルフが、何故かルーザックにコール・リプレイスへ行けと、それを修行の最終段階として、持って来た。それはグドルフが、ルーザックに実戦で魔法をどのように使うか触れていなかったからだ。レベルの差のある相手では、完膚なきまでに叩きのめす事は、簡単だった。だから実戦形式のバトルは避けてきた経緯がある。本来なら、身内やそこら辺の雑魚ビーストで、せめて試すのが筋であるが、それでは不充分だった。
「その、コール・リプレイスで10人勝ち抜けば修行が完結するんですね?」
「まぁ、形式上そうなる。」
「その後の事は、ルーザック、お前自身が決めるんじゃぞ。」
「分かりました。コール・リプレイスで恥をかかないよう頑張ります!」
「いいか。10人目に近付けば近付く程、強力なプレーヤーを用意してくるはずだ。心してかかれ。だが、ワシは信じているぞ。3年間の集大成をぶつければ、必ずや10人抜き出来ると、ワシは信じているぞ。」
ルーザックは、只10人倒せば良いなら楽勝だなと、勘違いしていたが、コール・リプレイスで10人抜きを達成するのは、ほぼ無理だと考えられている。コール・リプレイスでのルーザックの活躍が、彼の知名度を上げて行く事になるのだが、それはもう少しだけ先の話である。
「じゃ、師匠そろそろ行きますね。また会う日まで、絶対死なないで下さいね!」
「おう、ルーザック、お前もな!」
そして、ルーザックはコール・リプレイスへと旅立った。




