クエスト43 目指すは果ての先
「手紙ありがとう。お前なら、きっとワシが越えられなかった果ての先に行く事が出来ると思う。しかし、その為にはまだまだ修行が必要で、洗練されなければならないことは、もう分かっているだろう?本当にワシが教える事はもう何も無い。だからこそ言える。よくやったとな。」
グドルフは懐から小さな宝飾品を取り出し、ルーザックにかけた。
「これは何ですか?」
「卒業の証だ。グドルフの証かな。」
「これ、何か効果はあるんですか?」
「その石はアーリエンガルという珍しい鉱物だ。これを身に付ければ魔法の威力が2%増になる。本当は、スタースイングバンドを渡たかったんじゃが、今はこれで勘弁してくれ。」
「いや、ありがとうございます。ありがたい貴重なアイテムです。御守りにします。」
「良いかルーザック、まだこれは通過点だぞ。」
「はい。精進します。」
「うむ。良い心がけだ。立派、立派。」
「ところで、師匠はこれからどうするんですか?」
ルーザックは、何の躊躇いもなく聞いた。
「うーん。そうだな。新しい呪文の開発でもしようかな?」
ルーザックは驚いた。この人は呪文まで作り出せるのかと。この時、ルーザックはグドルフが、別次元の世界の人である事を改めて知った。
「その新しい呪文、使えそうだったら教えて下さいね。ドゥーラで、飛んできますから。」
「アホ!そんなもん開発前から分かるか!」
「確かにそうですね。使えるか使えないかなんて、分かる訳ないですよね?」
「御前の実力は、ピカイチだ。それは、師匠の俺が保証する。しかし、今のまま胡座をかいてしまえば、必ずずっこけるぞ。」
「はい。分かってます。気を付けます。そして師匠が越えられなかった、果ての先目指して精進します。」
「その心がけを忘れなければ、言う事はない。」
グドルフは、弟子の成長が何よりも嬉しかった。自分で0から鍛え上げた訳では無いにしても、それでも、自分の教えをどんどん吸収して、成長して行く様子は、まさに水を吸い込む紙のようなもので、見ていて気持ち良かった。
グドルフは、これまで弟子を正式に送り出した事がなかったから、こんなにやりがいがあるなら、死ぬまでに何人か弟子を持とうかと悩んだ。しかし、ルーザックだからここまで、順調に来たと言える。それだけ、ルーザックに才能があったのだろう。




