クエスト41 教える事は何もない
修行開始(弟子入り後)から3年の月日が経過しようとしていた。
「うむ。その辺でよかろう。ルーザック、おめでとう。」
「何すか?おめでとうって?俺の誕生月は10月ですけど?」
「バカたれ‼そうではない。これで修行の全過程を終了したんだよ。コンプリートだ。」
「コンプリート?これで修行はおしまいって事ですか?」
「そういうことだ。ワシからこれと言って教える事は何もない。」
「じゃあ、大賢者グドルフの正式な後継者になれたんですね?」
「まぁ、少しは認めてやっても良いがな。」
「相変わらず手厳しいんだから。これからどうしよう。」
「その事なんじゃがな、お前に行って欲しい場所があるんだ。」
「行って欲しい場所……?」
「修行のそう仕上げじゃ。」
「それはどこにあるんですか?」
「詳しい話はもう一週間待ってくれ。」
「なんだが、意味深だな~。」
こうして、ルーザックは、修行のそう仕上げとしてある場所に行く事を命じられた。教える事は何もない。グドルフからそう言われたことは、嬉しい事であり、寂しい事でもあった。次なるルーザックの活躍の舞台はネクストステージへと、移行する事になった。
振り返ってみれば、この3年でルーザックは、大きく成長していた。単に使える呪文が増えたとか、呪文の威力が上がったと言った目に見える部分だけではなく、目に見えない内面の部分も強くなっていた事は確かである。
年も21歳になった。ルーザックは物凄いスピードで、成長していた。だが、それは毎日のルーザックのこつこつ積み重ねた努力の賜物である。
グドルフから与えられた、修行課題の多くは、こなすだけでも、相当な体力とGPを使用するモノであった。修行でヘトヘトになっても、歯を食い縛り、毎日6時間以上瞑想を続けた。それが出来たのも、一日も早い世界の平和を実現する為であり、魔法使いとして頭を取る、という確かな彼の信念は本物だった。
決してウソっぱちでもなく、まやかしでもない。それを一番理解していたのは師匠のグドルフである。グドルフがルーザックに少しは休め、と何度言った事か。
それほどルーザックは根を詰めて修行に取り組んでいた。師匠が心配する程の頑張りを見せていたルーザックは、遂にグドルフを唸らせたのである。3年という短期間で。




