クエスト40 未来に何が待っていても
未来に何が待っていても、ルーザックには受け止める覚悟が出来ていた。
魔法使いとして頭をとると決めた以上は、どんな未来のシナリオが用意されていても、越えて行くという意志は固かった。強くなるという事は、それだけ困難な道が、用意されているという証でもある。
グドルフは、そういったメンタル面に関しても、グドルフ流の指導をしていた。
「強い人間は皆等しく固い意志を持っている。ワシもそうであり続けた。老い先短今となっては、もう現役の時のような信念は無くなってしまったが、現役の時は固い信念を持って、鍛練に臨み、実戦をこなしていた。どんなものでも良いから、まずは目標を持つ事。そして、目標が持てれば、それらは信念に変わる。人間というのは、面白いモノで、信念を持つと、メンタルも強くなる。そうなると、ブレがなくなる。メンタルヘルスなどと言われるが、固い決意と信念があれば、そのようなモノは必要無くなる。ルーザックよ、魔法使いとして一流になりたいのなら、まずは、揺らぐ事の無い信念を持つ事である。」
具体的な方法は、何一つ教えてくれなかったが、それでも今のルーザックには、信念を持てという一言で充分であった。
ルーザックには、元々強い魔導士になりたいという信念があり、世界を平和にするという、具体的な信念が、あった。だからと言ってはなんだが、この点に関してはルーザックの飲み込みはピカイチであった。ルーザックには、信念を持つ事の重要性がどういう事か、分かっていたし、こう言っている。
「信念ですか?うーん。私は魔法使いになった時から頭をとる事しか考えてませんから、今更って感じですかね。恐らく。」
もちろん、ルーザックはグドルフの教えを軽く受け流していた訳ではない。ルーザックは彼なりに自分の事と照らし合わせた上で、自分はその段階をクリアしていると、冷静に分析しているだけの事である。
ルーザックにとっては、ここでの修行で終わるつもりはなく、あくまで成長の為の通過点と捉えていただけであり、その先に待つ運命の激流を越えて行く為のモノであった。




